第一回キルギス国際マラソンが開催されました。発案者の私は大会の実行委員長&ランナーとして参加しました。
2年前の夏、初めてキルギスを訪れ、イシククル湖を訪ねた時、真っ青な湖水と、白く輝く4000~7000メートルの天山山脈が連なる湖畔の風景の美しさにただ感動。環境や文化に配慮した持続可能な形で開発できれば素晴らしい可能性を生み出すことを確信しました。この湖は長く幻の湖と呼ばれていました。ソ連時代、党幹部の保養所があり、重要な会議が度々開かれていたこともあり、外国人の立ち入りは禁じられていました。ユーリー・ガガーリンが宇宙から帰った後、ここで静養したことでも知られています。
シルクロードの中心であり、東西の文化が交錯するこの地域で、平和や環境、そして友好をテーマに世界の人々が集う機会を作りたい。そのためにはイシククル湖の美しさを走りながら実感できるマラソン大会を実施しましょうよ! 私のそんな提案が広がり、キルギスの有力議員であるサマコフ議員が中心になって実現したのがこのイベントです。
中央アジアで初めてのフルマラソンになったこの大会は、国家的なイベントとして大きな注目を集め、本当に温かい、明るい雰囲気で実施されました。私はこれまでフルマラソン、ハーフマラソンを含めて30回近くのマラソン大会に参加しましたが、ランナーもボランティアも、参加者全てがこんなに温かい雰囲気を作り出した幸せな大会は初めてでした。
実はレース中に、近くの村で赤ちゃんが生まれました。その父親と村長は、私の名前をつけてもいいですか?と聞きに来ました。嬉しいのですが、いくらなんでもキルギス人に相応しい名前の方がいいはずと思い、いくつか候補を挙げてもらった中で私が決めることになりました。私に似た名前「ナルボト(昔の皇帝の名前)」をはじめ、いくつかの候補を挙げてもらいましたが、その中で私が選んで「クバヌチベック」という名前になりました。キルギス語で「幸せ」「喜び」という意味のこの名前。世界一美しい湖畔で、世界一幸せな大会の日に生まれた男の子に相応しい名前だと思います。
この大会を、これからもずっと続く大会に育てたいと思います。また、標高1600メートル、保養所や温泉もあるこの地域は高地トレーニングにも適しており、観光資源としての魅力も世界屈指だと思います。皆さん、来年は是非、一緒に走りましょう!
写真上:スタート直後の私
写真上:ゴールする私。最後はダッシュで追いかけましたが、僅かに前のランナーには及びませんでした。
写真上:主催者として挨拶する私。大きな拍手と口笛で歓迎され、応えているところです。
写真上:女子マラソンの優勝者を表彰する私。表彰状には大会実行委員長としての私のサインが入っています。
写真上:女子マラソンの入賞者と。私は表彰状とメダルの授与を担当しました!
写真上:中央アジア各国やトルコなどから10社以上からテレビ取材を受けました。
写真上:ボクシング世界ライト級元チャンピオン、オルズベック・ナザロフ氏と。キルギス初の世界チャンピオンで国民的英雄でもある彼とは、今から20年前、協栄ジムで一緒にトレーニングしていました。2年ぶりの再会です。
写真上:イシククル湖と天山山脈の風景。
写真上:大会実施の中心になったサマコフ議員と娘さん。この5月に19歳になったばかりの彼女は、ミス・インターナショナル2011のキルギス代表です。
写真上:キルギス日本議連の国会議員たちと
写真上:多くのボランティアの方々が大会をサポートしてくれました。(大会前日)