今年の仕事は今年のうちにということで、今年読んだ本で面白かったものをいくつかアップしておきます。(と言っても、いずれもツイッターで上げた感想をまとめ直したものですが……)
劉文兵『中国抗日映画・ドラマの世界』(祥伝社新書、2013年10月)
個人的には近年色々と物議を醸している抗日ドラマの解説に期待してこの本を購入したのですが、メインはどちらかというと映画の方です。抗日ドラマより抗日映画の方が歴史は長い(同時代の日中戦争の時代から制作されている)ので、これは仕方ないのかなと。
この本の著者は以前に『中国10億人の日本映画熱愛史』なんて本も書いてまして、そちらでは日本の映画やドラマが中国で受け入れられたのかという話をしてました。今回はその逆バージョンみたいな話ですね。
で、お目当ての抗日ドラマですが、本書によると、ドラマの検閲に関しては、政府は企画の審査に関わるのみで、完成した作品に対する「このシーンがアカン」といった個別の検閲は、制作会社の所在地の検閲機関が行っているとのこと。そして映画と比べたらドラマの個別のシーンの検閲は緩い方で、よほどのことがない限り検閲に引っかかることはないなんて書いてます。
それにしては歴史ドラマで数年単位でお蔵入りしていた作品だとか、結局本国で放映の認可が下りないので韓国・台湾や日本で先行放映(あるいはDVD販売)された作品だとか、放映には至ったものの個別のシーンが総計数話分削除を迫られたなんて話をしょっちゅう耳にするような気がするのですが、あれで緩い方なんですか……
あと、留学中に抗日ドラマの『亮剣』という作品を見てまして、展開のテンポも早いし面白いドラマだなあと思っていたのですが 本書の解説を読んでこの『亮剣』はやはり名作であったということを再確認しました(^^;)
劉文兵『中国抗日映画・ドラマの世界』(祥伝社新書、2013年10月)
個人的には近年色々と物議を醸している抗日ドラマの解説に期待してこの本を購入したのですが、メインはどちらかというと映画の方です。抗日ドラマより抗日映画の方が歴史は長い(同時代の日中戦争の時代から制作されている)ので、これは仕方ないのかなと。
この本の著者は以前に『中国10億人の日本映画熱愛史』なんて本も書いてまして、そちらでは日本の映画やドラマが中国で受け入れられたのかという話をしてました。今回はその逆バージョンみたいな話ですね。
で、お目当ての抗日ドラマですが、本書によると、ドラマの検閲に関しては、政府は企画の審査に関わるのみで、完成した作品に対する「このシーンがアカン」といった個別の検閲は、制作会社の所在地の検閲機関が行っているとのこと。そして映画と比べたらドラマの個別のシーンの検閲は緩い方で、よほどのことがない限り検閲に引っかかることはないなんて書いてます。
それにしては歴史ドラマで数年単位でお蔵入りしていた作品だとか、結局本国で放映の認可が下りないので韓国・台湾や日本で先行放映(あるいはDVD販売)された作品だとか、放映には至ったものの個別のシーンが総計数話分削除を迫られたなんて話をしょっちゅう耳にするような気がするのですが、あれで緩い方なんですか……
あと、留学中に抗日ドラマの『亮剣』という作品を見てまして、展開のテンポも早いし面白いドラマだなあと思っていたのですが 本書の解説を読んでこの『亮剣』はやはり名作であったということを再確認しました(^^;)
今までドラマの話数に合わせてテレビ局の方が放映枠を調整するものだとばかり思っていましたが、現実はその逆なわけですね。またどう見ても問題無さそうな題材なのに放映に至らないものがあるのはなぜかと思っていましたが、その疑問も解けました。
要するに製作本数が多すぎて、完成した作品の約半分は、実際に放映することができず、順番待か、お蔵入りになります。別に検閲に引っかかってしまったからというわけではないようです。
後は、中国の各テレビ局の放映時間には「枠」があります。たとえば、45話の放映時間というテレビ局の「枠」に合わせるために、そもそも50話のドラマを、製作側は5話分を自らカットせざるを得ません。
『亮剣』の場合、中国テレビ(CCTV)で放映された際に26話、地方テレビ局で放映されると28話か、29話、さらにDVD化された全長版は30話となっています。それぞれのテレビ局の放映時間の枠が違うからです
映画よりもテレビドラマの方がむしろ融通が利き、自由を与えられているというのは事実だと思いますね。