自然を尋ねる人

自然の素晴らしさ、豊かさ、人と自然の係わり合いを求めて!自然から私たちにくれる贈り物を見つけるために今日も歩く。

七草粥

2007-01-10 23:02:05 | Weblog
 備後弁で「いえん」と言う方言は「話したくない」という意味である。

太陽暦ではもうすでに7日は過ぎたが、昔は旧歴で言うから今年の2月24日が七草粥を食べる日らしい。

先日の雪の日、国分寺の松並木参道を歩いていたら無性に7草粥の歴史を知りたくなった。
鳥が教えてくれた事なのだろうか。






七草粥は宇多天皇の御世、890年に始めて宮中に献じられたとされるが、その後、醍醐天皇の911年の記録で正月7日、都の周辺の北野からナズナが、吉野からセリが、交野からカブが、紫野からゴギョウが、嵯峨野からホトケノザが献上されて食されたとある。
お正月から美味しいものを沢山食べ、食べ過ぎて胃が重くなったり、栄養が偏ったりした7日ごろ7草粥を食べて人には言えん胃炎を治したという。
現在の医学から分析してもミネラル、ビタミンを適正にとる食材である。
人の経験による知識はすばらしいと改めて知るのである。
その中のナズナと大根(スズシロ)、カブ(スズナ)を調べてみた。

ナズナ(別名ぺんぺん草、バチ草、シャミセン草で種子の型が三味線のバチのようなことから呼ばれるらしい。嘘と言う意味が含まれるシャミセンではない、下のデーターを見て欲しい)





カリウム 440、カルシウム 290、リン 92、鉄 2.4、亜鉛 0.7、マンガン 1
カロテン 5200、ビタミンB1 0.15、B2 0.27、B6 0.32、ビタミンK 330、葉酸 180、ビタミンC 110
ほとんどの成分が他の野菜類と比べると1桁多い優れものである。
しかしどのようにして食べれば美味しく頂けるか、私は知らないから教えて欲しい。

大根(カブも似たようなものだから今回は省く)
澱粉の消化酵素ジアスターゼが暴飲暴食による胃のもたれや胸やけを緩和する。
(加熱するとジアスターゼの効力が落ちるので、平安の時代大根をどのようにして粥にしたのか分からない。現在大根は生大根おろしで食べるのが最良とされているが!)





このまま大根について終われば、形が悪いだけの消化不良になるから薬効を追加する。
 大根おろし・・・大根の辛味はすりおろして7分ぐらいが1番辛く、20分後には苦味に変わり、1時間後にはビタミンCは消滅する。
 大根の葉 ・・・ニキビ、吹き出物が治り、綺麗な肌になる。
         目の充血や歯ぐきからの出血に効く。
 葉の干したもの・薬用湯として使え、冷え性に効果がある。
 
正月そうそう考えすぎが災いして、画面同様暗くなったが平安時代の清少納言なら「いえんなら、7草粥を食べてみるのもいとおかし」と結んだであろう。