昨日、あれこれとT5エンジンの燃費についてうんちくたれたものの、面白い情報を見つけました。
ボルボカーズ(本社)が、F1のようなKERSシステムの実用目途を立て、近い将来「量産車」に搭載する事が「決定した」らしい。
ポルシェの「911GT3R ハイブリッド」や、アウディ「R18 e-tronクワトロ」、「CFT KERS(ホンダで実験済)」等々、レースの世界ではエネルギーを「フライホイール」に溜める方法は目新しいものでは無いですね。
但し、ポルシェもアウディ(ウィリアムズ製)も「電気」でフライホイールを回すという点では、今回のVOLVO式とは異なります。
フライホイール式の問題は、超高速回転する部分を何で作るのか、故障した際のダメージを考えると強靭なハウジングが必要、熱問題を考えるとハウジング内を真空にする必要がある等がありますが、システムを比較的単純にできる点や、消耗品で重量物のバッテリーが不要と興味深いものです。
写真を見る限り、CVTでエネルギーの入出力を制御する構造はまるっきり「CFT KERS」そのものですねぇ。
最大回転数6万rpmにしてはハウジングがコンパクトで安全性は大丈夫なんだろうか…。
後輪に装着し、減速エネルギーを溜め、発進時に後輪を回す仕組み。
た・だ・し、鵜呑みにはできません、25%の燃費向上なんて。
S60の4気筒ターボに搭載して試験、6気筒ターボに対して「最大25%」の燃費向上が実証とある。
…先ずエンジン同士の排気量の記載が無い。
同じ走行性能が出たとも記載が無い。
T5だって2,500ccと2,000ccのようにバリエーションがある。
恐らくベースエンジンの排気量には大きな差があると思われるから、それで「燃費が向上しました」と言っても説得力に欠けますよね(汗。
更にVOLVOの場合、ナンチャッテな例がありますから…。
海外で世界初のディーゼルハイブリッドを登場させたものの、公証値54km/Lに対し、発表で貸し出された車の平均燃費は約12km/L。
最も低い時には8km/Lだったという実例がありますから、謳い文句は実際に登場してから評価せねば、です(笑。
まだアナウンス段階とはいえ、後輪に専用のミッション(CVTか)を付けるって事は、FF車用の展開を前提としてる「疑似AWD」って感じがしてならない。
XCシリーズや、今回のV40 CROSS COUNTRYで恩恵が受けられるのかと言えば、このリリースだけでは期待しない方が良さそうです。
より詳しい情報が出るのを待つしかない、か。
コメント
--------これより以下のコメントは、2013年5月30日以前に-----------
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- やみがらす [2013年5月8日 18:09]
- >自己RES
VOLVOのフライホイールKARSの動画と説明を見つけた。
やはり四気筒と六気筒の比較で、排気量差は書かれていない。
が、同等の性能においてとの記述を見つけた。
S60の重さを考えて、0-100km/hが一秒短縮だそうで。
動作CGを見る限り、減速時に後輪がフライホイールを回転させ、発進時はアイドルストップのまま、フライホイールのみで発進となっている。
素人考えだが、完全に前後独立した駆動システムで、FFになったりFRになったりするこのシステムは「相当バランス悪い」のではと想像してしまう。
加速も減速も軸足が前後勝手に変わるのだから(汗。
また、構造図に真空ポンプが付いてたり、6万rpmという回転速度を考えると、動作中は相当な音が出ると思われる。
前後足がつながるXCやCrossCountryのようなAWDの後輪に装着するなら、相当面白い発想かなぁ。
でも、CVT介して取り込んだエネルギーだけでエンジン停止のまま発進をカバーするとは思えないんだよなぁ…。