買う予定でも無いのに、またしても図々しく試乗車に乗せて頂きました(汗。
恐らくフェイスリフトした2008はまだ入ってそんなに日が経ってないハズ。
試乗車は上のグレードの青い車体、基本は店内展示車と同じです。
ポジションを合わせて説明を受けます。
輸入車の常で(一部を除く)、左がウィンカー&ライト、右がワイパー、間違えそうです(汗。
キーを差し込んで回して始動、ボタン一つより慣れた操作に安心です(笑。
メーターを囲む「タレ目」のような枠が淡い水色に縁どられ点灯、こりゃ雰囲気あるかも。
イグニッションONポジションで左右メーターが一端右イッパイまで揃って回り、これまた揃ってゼロ位置へ戻るギミックは初めて見ましたが何か「気持ちいい」。
3気筒エンジンが目覚め、想像してたより静かな音に少々頼りなさを感じつつも試乗開始。
出足、MTベースの自動クラッチ車とは思えないほどスルスルと動きだし、トルコンとまでは行かないまでもスムーズなのを確認。
ウィンカー作動音は結構大き目。
ってか、今まで乗った車の中では最大かも。
でも無音に近い動作より個人的には「曲がるぞー」って感じでこの方が好きです。
雨の中の試乗なのでワイパーも試せます。
手動で速度も変えられるようですが、ワンタッチで自動的に雨量をチェックしワイパーの速度や間欠をコントロールしてくれるので楽ちんです。
走り出して直ぐ気づくのは、実寸法以上に車体がコンパクトで車両感覚がまだ乏しくても安心して狭い幅でも飛び込める事。
これは精神的にすっごく嬉しい。
室内はそれなりに横幅が「広くは無い」と感じますが、適度な天井の高さとデザインで窮屈さとは無縁な空間ですね。
加速は結構モリモリと元気よく前に出る感じ。
クラッチがギヤを繋ぐので、それなりの変速ショックはありますし、低速で渋滞のような走り方をするとたまにぎこちないシーンもありますが、正直どれも許容範囲に感じます。
アクセルをガバッーっと開けるタイプのミッションでは無いものの、多少強引に踏む程度なら拍子抜けするように元気に車が走る。
営業さんに聞くまで「ターボ」が付いてるものと思ってただけに、「これでNAの1.2Lなの?」と更に驚きです。
3気筒独特のエンジン音はほとんど判らず、回した時に「あ、4気筒とは何か違うな」って気付く程度。
とはいえ、軽自動車等で3気筒エンジンの音を聞いてるだけに嫌いな音では無く、むしろ「エンジン回ってるぜー」って感じでかえって楽しい♪
確かに多気筒よりは振動あるかもしれないけど、殆ど気になるレベルではないですね。
ふと気づくと普通にハンドルを操作してる。
小径のステアリングにビビってたのがウソのように自然に操作し、その上から独特のメーターを確認できてる。
パドルシフトとの距離が近いので、ちょっと指を伸ばせば楽に変速できそう。
私はまだそんな余裕無いので試乗では一切触りませんでしたが。
しかし、2名乗車なのにキビキビと良く走るのにビックリ。
1.2Lなら我慢するようだろうなぁって予想してたの、見事に裏切られた形です、はい。
正直、信号待ち等でアイドリングストップ中にアクセル踏んでも「始動」「変速」と儀式が入るので、トルコンのSX4のつもりでアクセルを踏むと「踏み遅れ」気味になり、加速開始がちょっと遅れます。
慣れれば「見越しアクセル」でカバーできる事ですが。
これは右下のECOボタンで解消できるみたい。
アイドリングストップが解除された2008は、普通にアクセル踏んでも「普通」に加速を開始してくれるので意識のズレが生じません、問題無しです。
さてさて、最後になりましたが足回りで締めくくりますね。
走り始めてから営業所に戻るまで、その乗り心地には圧倒されっぱなしでした。
街乗りSUVタイプの2008ですが、サスペンションのストロークは十分なようで、結構良く動きます。
ストローク感もタップリで、これはSX4と同じくらいの作動量があるのかもしれません。
違うのは動き方。
プジョーには伝説の「ネコ足」と呼ばれる、地面をネコ科の動物のようにシナヤカかつスムーズに移動する不思議な足周りがありました。
近年、その傾向が薄くなったとは聞いてましたが、どうやらコレはその血がまだ流れてるのではと思える不思議さです!
ともかく、普通はゴン、ゴゴンと路面からのアクションが車体を揺する場所も、スーっとまでいかないかも知れないがとても滑らかにいなして通過してしまう。
路面のウネリがあるのに、上物が別パーツのように安定して走るので、とてもいつもと同じ道とは思えない。
リアシートに座って動かしてないのですが、これは後ろも相当な乗り心地の良さが想像できます。
ただ単にスポンジーかというとそうでも無い。
運転してると走りそのものは結構締った印象で、実際にハンドルにはそれなりの手応えがある。
ヴェゼルのようにスポーツカー然となるほど締ってはいないし、ロールしないワケじゃない。
走る楽しさがタップリあるのに上品な走りとでも言うのかな、表現が難しい(汗。
短時間の試乗でしたが、これは長距離に出したら疲労を押さえて結構ありがたい気がします。
違った意味でV40CCのように、その車だけが持つ世界があるのかも知れません、魅力的です。
因みに試乗した道の一部は、年始に叔父のXVハイブリッドを初めてドライブした道でした。
ゴツゴツ、ゴンゴンと路面に突き上げられる荒れた舗装路で「これ乗り心地ならSX4のが遥かにいいんじゃないかなぁ」と愚痴ったソコを、まるで大型サルーンのシートに座っているようにスムーズに走ってしまう2008に開いた口が塞がらない状態に。
適度な起伏もあるのに、結構モリモリと走る心臓部が、たかだか1.2LのNAエンジンだとはとても信じ難い。
唯一、上りのスタートで2秒ホールドされるハズが、スーっと後ろに下がってギヤが入らない事が1度だけありキモを冷やしました。
何が原因か判りませんが、このミッション独特のクセがあるのかもしれません。
にしても、極上の内装、魔法のような足回り、小さくとも元気なエンジン、2008はFFかつシンプルなMTベースのミッションで許せる人には是非ともいちど、ステアリングを握ってみて欲しい車だと思います。
コンパクトなのに存在感厚い外観、スニーカーのように気軽にコンビニにでも乗り出せる敷居の低さ、その気になれば広大な荷室が現れる、乗り手に不思議な空間をもたらす、何とも不思議な車。
輸入車なのに国産コンパクトSUVとほぼ同じ価格レンジでありながら充実した標準装備と魅力は比較するに十分あたいすると感じました。
…、AWDが追加されたらマジで検討するようだな(汗。
恐るべし、フランス車。