もう数日前になりますけれど、上野公園で、母とデートしてきました。長文になります、お許しを。
ちょうど今は、西洋美術館で「アルチンボルド展」、都美術館で「ボストン美術館の至宝展」が開催されています。母とは事前に電話で、どこを回るか、気分とお天気と疲れ具合で決めようね、と相談していました。
上野駅改札(公園口)から信号を渡ったところに、上野公園で開催中の展覧会がすべて掲示されています。
山好きの母が喜ぶ「日本山岳写真協会展」が、なんと会期9日間(2017年の8/31~9/8)というピンポイントで開催されています。都美術館にて、無料。これに決まり!ちなみに主催は、日本山岳写真協会です。
とはいえ、西洋美術館でお昼を食べたかったのと、コルビジェの企画展「ル・コルビュジエの芸術空間―国立西洋美術館の図面からたどる思考の軌跡」を見たかったので、先にそちらを回ることにしました。アルチンボルドは、パスです。
驚いたことに、西洋美術館の常設展は、写真撮影OKになってました!そんなわけで、写真レポート、やってみま~す!
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国立西洋美術館の設計は、フランスの建築家、ル・コルビジェが担当しています。近代建築の父、とよばれる人です。西洋のお城や建物は壁構造ですけれど、コルビジェの建築は柱と梁をつかった構造が特徴です。
ここは、常設展の入り口である「19世紀ホール」の上部です。円柱と、梁が見えます。暗くてわかりづらいのですが、奥には、スロープがうっすらと見えます。これは美術館構想当初からあったものです。
本館の常設展には、宗教画や風景画など、印象派以前の絵画が展示されています。窓からは、明るい庭園が見えます。ちょうどお昼時で、室内と室外の色調のコントラストが印象的。
さて皆様、お気づきでしょうか?
ここまでの写真3枚、本館です。共通するのは、自然光をとりいれる窓があること。私は、はじめて意識して驚きました。
これって、実はすごいことなんです。設計時、日本側は大切な絵画が痛むことを嫌い、自然光をいれることには反対したそうです。でもコルビジェはこだわって、19世紀ホールには三角の天窓、展示室上部にはM型の天窓、展示室外壁には大きな窓を設けました。そして人工照明を併用することで、日本側を説得したそうです。
コルビジェの構想はふくらみ、19世紀ホールをペインティングしようと計画しました。天井は赤、三角の天窓が見えます。壁のペインティングは、何でしょうね?これはさすがに実現していません。
新館の展示室には、さすがに窓、ありません。いえ、1階の彫刻展示スペースだけ、壁一面ガラス張りでした。
私が気になってしかたない、おっちゃんもとい紳士の肖像画。どんな人?と気になって話しかけたくなるような人間臭さが漂ってきます。マネかモネ。日本の浮世絵の影響をうけていて(ジャポニスム)、ぺったりとした平塗りに見えます。でもよく見ると、こまか~い影のつけかたが凝っています。
ランチのコルビジェ・プレート。三角のパンが19世紀ホールの天窓、斜めのエビフライがホールのスロープを模しているそうです。うふふ。考える方は大変だあ。あとはサラダとデザートと飲み物がつきます。
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「日本山岳写真協会展」のほうは写真NGでした。
出品数は、約300点!皇太子殿下の作品も特別出展されていました。もしも作品にご興味あれば日本山岳写真協会のサイトをご覧ください。いまなら一般公募の入選作が見られます。もしくは、今週金曜までにダッシュで都美術館までお出かけください。
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久々に行った上野公園には、スターバックスともうひとつカフェができていて、ベンチがほとんどなくなっていました。いろいろ事情はあるでしょうけれど、残念。
それはそれとして、展覧会を堪能し、母とたっぷりお喋りして、お土産の交換をして帰ってきました。