お待たせ致しました。
PTA任意加入について文科省の方の意見が聞けるシンポジウムの
資料をご紹介します。
教育支援協会主催、
2011年度文部科学省委託事業
『保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業』
の一環として
平成22年2月11日(木・祝)に開催された
シンポジウム「これからのPTAのあり方について」の発言・進行を含む
正式な報告書が、最近、webにアップされました!
このシンポジウムは、朝日新聞「PTA実は入退会自由」と
2010.02.21に報道された、元のものなのです。
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教育支援協会
2011年度文部科学省委託事業
『保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業』
1) PTAを活性化するための調査報告書
http://www.kyoikushien.org/pdf/2010PTA/PTA_Doc1.pdf
※ PTAに関するアンケート集計結果とシンポジウムの様子、参考資料
2) 特徴あるPTA活動事例集 ~大人の連携からできることへ~
http://www.kyoikushien.org/pdf/2010PTA/PTA_Doc2.pdf
※ 各PTAの活動報告、改革を成し遂げたPTAのレポートもあります。
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シンポジウム当日のパネラーを紹介します。
コーディネーター:
吉田博彦(NPO法人教育支援協会代表理事)
パネラー:
寺脇研(京都造形芸術大学教授)、(元文科省官僚)
鈴木由香(神奈川県立光陵高校PTA会長)
小正和彦(横浜市立つつじが丘小学校校長)
神代浩(文部科学省生涯学習政策局社会教育課長)
*** (元文科省、現文科省官僚のPTA任意加入についての発言) 資料pp.40~41 ***
吉田◆さて来ました。実はこの話はしなければいけないんです。今日、実は順番としては各校の取り組みの中で、根底のところで一番の問題は強制参加みたいなイメージになっていたらなかなかできないよねというここのところをちゃんとしないと、今言われるようなやるのが当たり前みたいな形になってきて、そのことがある種の悲劇を生んでいるということは実は今回の調査の中でもいろんな形で出てきました。
寺脇◆10 年くらい前までだったら、文部省に問い合わせがあったら、任意であるとは言わない。私が初めてそれを言った。文部省に名古屋のおかあさんから電話がいきなりかかってきて「なんでPTA って義務なんですか、私は納得がいきません」と言うから私は「義務じゃあないんですよ」と。誰もそんなこと言わないですよ。それは生涯学習振興課長の時で10 年くらい前ですね。文部省は言わない。日本PTA 全国協議会ももちろん言わない。だって会費収入で成り立っているのだから、できるだけ入ってもらおうと思っている。当事者ができるだけ入って欲しいと思うのは当然だと思いますよ。
それは文部省が一番客観的にそれが言える立場なんだからそこが言わなきゃ誰も言わないじゃないですか。
吉田◆神代さん、現在官僚のご意見をどうぞ。
神代◆お気持ちはすごくよく分かるんです。ある意味言っちゃうのは簡単なことで、たとえば今までの文部省のやり方であれば、大臣名で都道府県教育委員会に通知を出して、PTA は任意参加の団体であることをちゃんと周知徹底するように伝えるのも一つかもしれない。逆に皆さんにお聞きしたいのですが、そういう形でPTA の組織のあり方が変わることを本当に望んでおられるかどうかですね。
吉田◆全員の方にご意見をお聞きします。任意参加なんだということをちゃんとはっきり通知して、そこからそれによってものすごく組織率が下がったりいろいろな問題が起ころうが、まずはそのことをやった方がいいと思う方は黄色、そうじゃない方は緑を上げてください。
(会場、緑と黄色のカードをあげる)
ありがとうございます。およそ見てる限りちょっと黄色が多いけれど、緑も半分くらいですね。どうですか?神代さん。
神代◆やっぱり迷うところですね。皆さんの意見も分かれる。私としても迷うところですね。
寺脇◆迷うもなにもないところ。任意か任意でないかといえば任意だという事実があるわけだから、地球が回っているとか1+1が2だと同じことなんだから、そこで迷うってことはおかしい。だけど発表することに迷うってことはよく分かります。当然、そんなことを言ったらうるさい人たちがいるわけだよ。うるさい人たちっていうのは政治家とか保守的な人たちが、そんなこというからPTA にみんな行かなくなるんだ、つまり任意だってことはPTA に入らなくてもいいと文科省が言ったという話になることが辛い。しかし事実は事実なんだから、それは「なんとか通知」とか出したらそれはおかしいけれど、キャンペーンをはるってことはできるはず。文科省ができないのであれば、私がはってもいいですけどね。(笑)
吉田◆そういう方が文科省を追い出されているという事実がある、なかなか難しいですよね。
寺脇◆文科省に頼るっていうのは「新しい公共」の発想ではない。みんなに知らせるというのは公共のことですよね。文科省がやるべきだという考え方は従来の考え方なので、たとえばツイッターで私がPTA は任意と毎朝書くとかね、そういうようなこともできるし、PTA はPTA 活動国民運動とか勝手に起こしても構わないし。今カードあげられた方だって、ご心配の向きは、任意加入が間違っているとは誰も思ってないと思うけれど、任意加入であることがあまり明らかになると誰も入ってこないで困るなという。でも賛成された方は本気でやろうって人だけがやれば、今までのように足ひっぱられることもなくやれるんじゃないかという思いもあるわけですよ。一般的なNPO活動というのは、やりたい人がいる。やりたくない人が入っているNPO 活動というのは大体においてうまくいかないっていうことがあるわけですよ。
吉田◆校長先生、どうですか?PTA は任意だということを明確にするということについて。
小正◆任意であるということを全体に向けて言ったことはないですね。
吉田◆でも、皆さん任意だと分かってて入っているのでしょうか。
小正◆どうでしょう、それの認識もおそらくないと思います。ただ、基本的には任意にして参加率が減ってPTA の活動が止まるのだったら一度止めたほうがいいのではという気がします。それによってどういうことが起こるかだと思うのですけど。
*** (元文科省、PTA組織と保護者会の分離についての発言) 資料p.41***
寺脇◆校長の立場としては、全員が加入している親の団体があるのはいろんな意味で便利ですよね。いろんなことがあった時に、インフルエンザどうしましょうかなんていう時だって相談できる。それはそれで別に作りゃあいいんですよ。
吉田◆保護者会。
寺脇◆それは保護者会。それこそ保護者にはいろんな諸連絡があるじゃないですか、今年の遠足はこうしますとか。いろんなことについて保護者の意見を聞くっていう意味での保護者会はあるわけですよ。今まであいまいに包括的にPTA 活動って言ってきたものの中に、保護者会的部分とその学校を良くするための社会運動的部分があるわけだからそこを整理しなければいけないんで、その保護者会的部分に参加すると困るとかそこが問題ってことはないわけでしょ。結局、社会活動的部分についてやりたくないとか、大変だとかいろんな要素が出てくるから問題なんじゃないの。
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以上、コピペでご紹介しました。
太字、着色は、引用者によります。
ご紹介したのはほんの一部で、他にも見所がありますので
是非、教育支援協会のサイトからPDFファイルをご覧になって下さい。
PTA役員でも、PTAが任意加入の団体だと言うことを知らないひとが
50%いる、というアンケート結果も紹介されています。