先日、朝日新聞<フォーラム>PTAに関する読者の疑問、組織トップの回答は?について、エントリを書きました。その後、minminさまよりコメントを頂いた際、本紙とデジタル朝日での、日P会長尾上浩一氏のインタビュー記事の文言がかなり違うことに気がつきました。本紙では、ご回答を記者がまとめて書いていますが、デジタル朝日では、一問一答形式です。
その一問一答の中で、とても違和感を抱いた点について、感想や突っ込みを入れてみました。
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――会費の使い方に対する疑問の声も多かったです。学校の予算の一部のように扱われているという指摘もありました。
それはおかしい。変えなければいけませんね。会費はPTA活動のために使うべきです。
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同じ意見です。
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確かに、学校の予算が足りないことはある。
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ではどうするのでしょうか?
学校予算には遊びのお金が必要なような気がしていますが、そのあたりはどう処理するのでしょうか?お考えやご提案はありますか?PTAが学校の第二の財布のままでいいのですか?それとも、アメリカ・ニュージーランドのようにファンドレイジングを積極的になさいますか?
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だけど、私は学校の本を買うお金を、地域の企業に寄付してもらいました。普段しっかり活動しているからこそ頼めたのです。地域としっかりした関係を築いているかどうかにかかっています。
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解決のアプローチとしては、参考になる事例だと思います。
ただ、その解決方法は、恒久的でしょうか?たぶん違うと思います。
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――では、会費の使い方を指導しているのですか。
それぞれのPTAが決めたことに入っていくことはできません。
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確かに行政は、PTAに対しては、ノーサポート・ノーコントロールが原則です。主権在民のごとく、主権は単Pにあるのも原則です。ですが、建前上かもしれませんが日Pは、PTAの組織トップですよ?指導とはいわないでも、助言やヘルプデスクの設置位、してもいいのではありませんか?というか、日Pさんがやらずに誰がやるの?
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実際、PTA活動以外に使われるケースは、そんなに多くないと思いますよ。
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ご回答の意図がよくわかりません。
もしかしたら、PTA予算(繰越金のぞく)から、物品の金銭換算を含む学校寄付をしてしまう学校の割合は、そんなに多くないのかもしれません。また、学校寄付をしても、寄付額がPTA活動予算の5割を超えるケースとか、7割のケースとか、3割以下のケースとか、いろいろあり、それをどう解釈していくか、という問題になるかと思います。
私費会計(PTA会費)の学校寄付については、文科省調査があるはずですので、どうぞお調べになってみてください(※ 文科省照会中)。この調査が文科省でストップした(あるいは、公開を止めた)という噂があるのは、「この調査は日Pさんで行うように」という心の表れだとにらんでおります。
私は、この調査こそ、日Pさんがやるべきお仕事だと思います。公教育費の私費会計依存度を全国あまねく単Pにアンケートし、自治体別に集計すること。単年度集計ではなく、10年くらい継続調査して傾向を把握したうえで、義務教育国庫負担法の改正(自治体体力による国庫負担の傾斜配分をおこなう)を請願していくと良いと考えています。いかがでしょうか?
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PTAのことをよく思っていない人がそう指摘しているのではないでしょうか。
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そのお立場で、憶測を新聞記者に語ってよいものでしょうか。
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――会員の間に「PTAは入退会自由」という認識が広がってきています。周知する考えはありますか。
確かに任意加入が原則で、会員と非会員を差別するものではありません。ですが、あえて周知する必要はないと思っています。すべての保護者と教師が、良い教育環境をつくるために集まっている会で、みんなが一緒にやらなければよくならない。「入会」「退会」という考えはそぐわないのです。体を出せない人は、お金を払うことで「参加している」ということになると思います。
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PTA守旧派あるあるのご意見!!
私は、「お便り読むだけでも参加になる」が持論です。会費を払ってPTAに入会しなくてもOKです。
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――お金を出すだけで許されるのなら、こんなに不満は出ないのではないでしょうか。
お金の前に、まずは地域との関係をしっかり構築することが大前提です。
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ほんとうかなあ?問題はそこかなあ?
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――役員を断って陰口を言われたり無視されたり、「大人のいじめ」のようなことも起きています。
「ちょっとぐらいのこと」としか思わないんですよね。
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これは、強い人のご意見。
教育支援協会シンポジウム報告書(p45)の鈴木さん発言と似たような意味だと思います。
――「私も長年 PTA をやっています。私もボロボロになるほど辛い経験もしています。とてもお気持ちがよくわかります。でもそのことが私を強くしてくれて、私が子どもたちと向き合うのにとても役立ててくれた」(鈴木、2010)――
でもね、世の中には、傷ついたことを一生忘れられない性質をもつ人たちが一定割合いることを、ご認識ください。
そして、
> 「ちょっとぐらいのこと」としか思わないんですよね。
に関しては、かつて体験したエピソードを忘れられません。
うちの小学校PTAでは初めての退会者が一人、いらっしゃいました。娘が小3の時、私は学年委員でした。翌年の委員会・係決めの司会の打ち合わせの時「非会員の対応はどうする?」という話題になりました。該当学年の委員数名の顔色がさっと豹変し、憎悪むき出しになりました。あれは、とても怖かったです((((;゜Д゜)))
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人が集まるところでは、いじめのようなことは起こるものです。そんな時に相談相手や解決方法を探ることも、周囲との関わり方を身につけることになるのではないでしょうか。それも経験。それなのに何かあると「辞める」とか、「あの人が嫌いだから行かない」とか、自分の子どもがやったら注意するようなことを、大人がやってはいけない。
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確かに、それはおっしゃる通りです。ただ、それをできない大人は確実にいると感じています。いや、実際のところどうかはよくわかりませんけれども。
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――陰口や無視も気にするな、と。
断る理由があったら、別に気にする必要はないじゃないですか。
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正論ではありますが、実際、陰口や無視は、されると厳しいものです。日P会長さんは、強い方だと思います。
正当な断る理由を出すだけで「あの人はPTAやらない、うそつき」と一方的にレッテルを貼られ、無視されるケースもあるのです。そんな人たちには、日P会長として、あなたはどう対処なさいますか?
私は、「PTAべからず集」のようなものがあってもよい、と思っています。本来なら、お手本だけを示せばよいのかもしれませんが、PTA退会者に対する個人が抱く感情の実態はあまりにひどいので。