今日、たまたま見知らぬ2歳くらいの男の子に、絵本を読んであげました。
小さい子に絵本を読んであげるなんて、久しぶり。
病院の小児科の待合で、元気に廊下を歩きまわる2歳くらいの男の子と、1歳くらいの男の子の兄弟に手を焼いている(そして困り切って頭が沸騰モードになっている)お母さまがいらっしゃいました。タイミングを見計らって、男の子に「おばちゃんでよければ、絵本読んであげよっか?」と声をかけたのです。
男の子本人とお母さまの許可をもらいました。男の子が選んだのは、病院備え付けの、ピーターラビットの作者ベアトリクス・ポターの小さい絵本です。何冊かあるポターの絵本の中から、男の子は、猫の出てくるものを選びました。
わくわく、読み聞かせのスタートです。
ストーリーは、お茶会をすることになったお母さん猫が、やんちゃな子猫たちに窮屈なよそいきの服を着せて、さてどうなるでしょうか?というもの。
本文の1ページ目には子猫が3匹登場します。2ページめにはお母さん猫と子猫3匹が描かれています。子猫の1匹は後ろ向きに小さく描かれています。
男の子は、後ろ向きの子猫を指さして「これは?」と聞きました。私は前のページをめくって、「これがこの猫で、これがこの猫で、これが多分この子だと思うよ」と答えました。
出窓に子猫が2匹乗っているシーンでは、男の子は「これは?」と聞きます。私が適当に答えると、「きっと、ママがだっこしてのせたんだよ」といいました。
身体が大きくなる前の窮屈な服を着せられて、ボタンが弾けとんでしまった子猫の絵では「これは?」と状況説明を求めます。
お母さん猫がボタンを縫い付けて、なんとかまともに服を着られた子猫の絵を見て、男の子は不思議そうに「これは?」と絵を指さします。(まるで「なんで?」と言いたそう。語彙は少ないのに、なんとまあニュアンス豊かなんでしょう!)
私は、本文を読んだり、男の子の疑問に答えて対話したりしながら、絵本を読んであげました。
これ、浜島代志子氏の「対話式絵本読み聞かせ」から教わった方法です。 要するに、絵本はコミュニケーションツールというわけです。
絵本を読んであげた男の子、本当によく絵を見てます!!
観察眼の高さには驚きました!
たぶん、小さい子はみんなこうだと思います。
子どもの頃は心臓の鼓動は大人より早く、代謝も高いですから、そのぶん大人より時間の感じ方がちがうから、一瞬でものごとを観察して取るのではないかと思いました。古い例えですみませんが、サイボーグ009、島村ジョーの「加速装置」のようなものを子どもはみんな持っていることになります。
残念ながら、絵本の途中で娘が診察室に呼び出されたので、読み聞かせは最後までできませんでした。でも、おかげさまで贅沢な時間をすごさせてもらいました。