親との上手な同居を!
子供の大切さをどのように表現できるか。子供に期待する事をどのように表現すると、子供は受入れ易いか。子供は親や先祖をどのように思い、どのような別れを想像するのか。また、子供は自分の子供との別れをどのようにできればと期待するのか。
「他出子」は7月17日中国新聞オピニオン欄(熊本大名誉教授 徳野貞雄)に、集落から出て行った子供と定義されている。この欄によると、同居者は少ないが、近距離居住者(近場の町)と、中距離居住者(県庁所在地など)とを合わせると全体の7~8割に達するという。多くの子供たちは親の近くに住んでいることを示している。
さて、子供たち(働き盛りの夫婦)は退社後や休日にはどのように過ごしているのだろうか。サラリーマン主人は帰宅後には「ゆっくり」、休日は子供と公園などに。パート主婦は急ぎ保育園へ子供を迎えに。休日は家族と公園などに行く。マイホームは5~6万円/月の借家や重い残ロ-ンの家だろう。一方、親はどのように毎日を過ごしているのだろうか。多くはマイホームを購入し、定年後の生活を、健康維持を考えながら過ごしているだろう。家庭菜園を楽しみ、年に数度の旅行なども。そして子供からの孫イベント情報にも喜んで対応していることだろう。
私には疑問に感じていることがある。親が他界後には,マイホームは壊され、土地代だけのお金が相続される。僅かな金額になることだろう。親の一生は子供を育てることだから、「問題なし」。「たしかに」とも思う。しかし、子供は親と同居することが良い、と考えている。良い点は、1、借家料の支払いがない2、孫は幼稚園に通い、家には祖父母が待つ。孫を祖父母が看る3、祖父母は家で孫と過ごし、孫は手伝いを、時にはする。4、祖父母が高齢になると、子と孫との2代で祖父母を看る。勿論施設も利用するだろう。
配慮の要る点は、1、長子(家の相続者)、特にその嫁は祖父母や小姑に気兼ねする(対応は:週1回程度だけの一緒の食事や多くの旅行は別々もOK など工夫をする)2、長子が通う企業への通勤時間が長い(対応は:就職先選択時にしっかり考えておくこと。)3、相続者は、両親のお世話責任及び家を地域に存続させる事を大切に考えること。他の子は遺言書にて相続内容を明記。又は遺留分のみ。
親と子、子と孫。先祖そして子孫。どのように繋げてゆくか。無駄を少なくし、繋がって相互依存してゆく。日本の抱える問題への解決策のヒントが潜んでいるように考える。少子化。高齢化。過疎化。親との同居は、子の給与が安価な賃金であっても、子供に繋げる宝物は、「他出子」に比べて大きくなるものと思えるのです。私はすでに定年退職した、他出子を持つ親ですが、反省もしながら、今そう思うのです。