憲法論議
朝日新聞の社説を読んだ。理解不足だと感じられる。少しひも解いてみることにする。
69年前の小冊子「新しい憲法 明るい生活」が「自由とはいったい何であろうか。一口にいえば自分の良心に従って生きることである」。「私たちはどんな考えを持っても良い」「どんな会合をやっても、どんな団体をつくっても自由である」と。
69年後の自民党がまとめている憲法改正草案には現憲法の「自由の確保」や「不戦」はない。前文には、憲法制定の目的は「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため」。また「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」と。そして国民の自由や権利の行使には「常に公益及び公の秩序に反してはならない」と枠がある。
まだ解り易くない。草案がきれいな言葉を集め過ぎているようだ。さて、憲法とは公務員が守らなければならない法律と捉えられる。この視点に立てば「自由」の憲法の条文には「公益や公の秩序---」などの修飾語のある「枠」はいらない。現在の憲法で十分秩序は保たれている。「自由」についてそう思う。