いばらの道
およそ面積2反の畑がある。畑とは呼ばれるが、幾年も草刈のみで野菜などを作ることはなかった。近年はどんぐりが芽をだし、大きいもので150㎜径になり、大小合計すると20本程度となっている。畑は3つの高低段からなり、最高位の畑は周りにそれ以上高い土地はない。またそこは表土が20㎝程度であり、下は赤土でできている。
その理由のためか、3つの段共通に畑は保水力が小さく、茨が多く育っている。この畑は「茨が原」と呼ばれている。
どんぐりの木が生育できているから、栗の木も育つだろうと2019年6月、10本の苗を植樹した。いつまでも草刈だけをし続けるには畑も労力も無駄遣いに思えたためだ。種類は「岸根」日本でも有名で、大粒な実が採れるという。苗木の間隔は8m。成木の枝間には距離が必要で、この程度の間隔は必要と。どんぐりは冬時期におよそ半分は切り倒した。
栗の実は植樹3年後に取れるようになるとのこと。楽しみではある。成木は肥料も要れば剪定も要る。枝全体に光が降り注ぐようにすることは大切という。もちろん病害虫にも注意が要る。どんぐりには良くても、栗には適すのか、さらに保水力不足ではと心配でもある。
おまけに、植樹した管理者の年齢は70才。幾年管理の体力が継続できるかも不透明。しかし今日現在は意識も体力も元気。前向き姿勢がとれている。とは言え、茨の多い場所に育つ栗の木、栗畑の草刈をして紐で束ねようと作業すると、とげが手袋や手覆いを貫いてブスと刺さる。「いた」と手は都度とびあがる。栗の木にとっても、この環境は「いばらの道」を進むことでもありそうだ。