5才誕生祝い
トルルル・トルルル---電話がなった。受話器を手に取ると、5才男孫の声。
「勤労感謝の日」をネットで調べると、「生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」などと。戦前の、天皇が新穀を天神地祇に勧め、自らも食する新嘗祭という祭事の日であったとある。
「おじいちゃん、今日は何の日か知っている」と問う。聞いていると、保育園で先生に「働いている人にありがとうという日」と答えられた様子、それを伝えたかったのだとわかった。もうすぐ70才になるおじいちゃんなのに、この日について調べようと考えなかった。文字面の意味を知っているだけ。
孫の電話が縁で改めて意識すると、大切に感じるものを、何気にすれ違っていることが多いと知ることができた。「勤労感謝の日」は「お陰様で生きられる」を意識する日だと私は定義しよう。気付かせてくれた孫にも感謝---。
日本語には仏教に由来する言葉が多いと言われる。話し言葉を使い、なにげに過ごすと、70年の期間も、由来する意味などには目を向けずに暮らしてしまうようだ。チコちゃんが「ボーと、過ごしているんじゃねーよ」と言いそうだ。