9月10日(火)は晴れたり曇ったりで、昼間は厳しい残暑となりました。
午前10時からは、生坂村議会9月定例会が開会し、毎定例会ごとに全員で「村民憲章」を唱和した後、私が開会の挨拶と提出議案の説明をさせていただきました。
令和6年第3回生坂村議会定例会の開会の挨拶
皆さん、おはようございます。令和6年第3回議会9月定例会の開会に当たり、ご挨拶を申し上げます。
実りの秋を迎え、生坂産ぶどうの193カラットは例年通りに生育が良く、今年も農家の皆さんの努力により糖度が乗り、とても美味しい露地物の出荷が始まり、それぞれにぶどうの集出荷、稲刈りなど農作業に大変忙しい時季となりました。
議員各位に於かれましては、何かとご繁忙の折、全員のご参集を賜り誠にありがとうございます。日頃は、村政運営に対しましてご指導・ご鞭撻をいただいていますことに感謝を申し上げる次第でございます。
また9月定例会は前年度の決算審査について、ご意見を頂戴するために池本代表監査委員さんにもご出席をいただいていますことにお礼を申し上げます。
それでは、9月定例会は、決算議会と言われるように、令和5年度の歳入歳出決算の認定をお願いする訳ですが、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、令和5年度決算における4つの健全化判断比率を監査委員の審査に付した上で、議会に報告させていただき公表することになっております。
令和5年度は、村のすべての会計において、黒字決算となりましたので「実質赤字比率」や「連結実質赤字比率」の該当はありませんでした。
次に、標準財政規模に対する普通会計の元利償還金及び準元利償還金の割合の3年間の平均であります実質公債費比率は、前年度より0.1%下回り、7.4%でございました。
また、起債償還金額、退職手当支給予定額などから、基金、交付税算定額などを引いた自治体が将来負担すべき実質的な負債の割合の「将来負担比率」は、今年度も「数値なし」となっております。よって、財政健全化判断比率の財政指標は、良好に推移している状況でございます。
次に財政状況を示す指標につきましては、財政の硬直度を示す経常収支比率は、前年度より0.4%下回り、80.8%でございました。
また、公債費比率は5.2%、起債制限比率は3.6%となっており、それぞれに良好な状況となっております。
よって、実質公債費比率につきましては、県営中山間総合整備事業、上水道老朽化対策などの過疎債等の償還が続いておりますが、繰上償還など公債費対策を継続して進めており、3ヶ年平均の比率はほぼ昨年度並みとなり、良好な傾向を示しているところでございます。
昨年度までは、各比率が改善されるように、臨時財政対策債においては、減債基金を取り崩して繰上償還を実施するとともに、なるべく国、県の交付金事業の導入をすることにし、その補助裏に交付税措置の高い過疎債を中心とした起債の発行を図りながら、将来負担を下げる充当可能な基金の積立もしてまいりました。
その結果、令和5年度の決算では、積立金現在高は2,332,879千円、地方債現在高は2,833,829千円となり、私が村長になって5期目17年間で、村民の皆さんと議員各位のご理解とご協力、職員各位の努力により、基金を約15億円増やし、起債を約23億円減らすことができた次第でございます。
しかし、今年度は環境省の脱炭素先行地域づくり事業が大きく動き出し、また、防災行政無線(同報系)デジタル化改修工事等も実施しており、今年度当初予算で前年度対比11億1,700万円 55.3%と大幅な増額となり、予算規模としては過去最大となっております。
生坂村始まって以来の最大の事業でございますので、財政状況の数値は下がっていくと思いますが、次世代につなぐ持続可能な生坂村と、レジリエンスの強化による災害に強い生坂村を構築するために取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いする次第でございます。
それでは、第6次総合計画の4年目を迎えました令和5年度は、将来像「確かな暮らしを明日につなぎ 明るく 健やかに生きる村」の実現に向けて当計画と、過疎地域持続的発展計画やいくさか村づくり計画に基づき、住民福祉の向上や産業振興等を図るための各種事業の実施と、人口減少対策における「生坂村まち・ひと・しごと創生総合戦略」に沿った施策を継続してまいりました。
「福祉の村づくり事業」では、昨年度も保健・福祉事業を中心に積極的な取組を行い、介護保険事業では家族介護用品支給事業の対象者と対象品目を拡大し、保健事業では、健康管理センターを拠点に各種検診や教室を通じた健康指導、訪問事業などを実施して充実を図りました。
過疎対策事業債ソフト分を活用しました事業では、各種ワクチン接種や出産祝金、入学祝金事業を行い、子育て支援及び人口減少対策等の事業の施策連携により、子どもから高齢者までの安全安心な暮らしのための支援や取組を展開してまいりました。
「子育て支援事業」では、子育て支援センターなのはなで、未就学児の親子や親同士の交流の場としてぴよぴよひろばを開所するとともに、病後児保育事業やファミリー・サポート・センター事業の体制を整え、保健師、保育士が常駐し、子育て支援の拠点として充実を図っております。
また、すべての子どもとその家庭及び妊産婦等を対象に専門的な相談や訪問により、総合的に支援するための子ども家庭総合支援拠点としての機能も担ってきました。
子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、保育料の軽減と無料化や、18歳までの子どもを持つ世帯の水道料金の補助、保・小・中の給食費無償化に加え、学生のバス通学費の減免制度を新たに設けて支援を拡充しております。
「つながる」をテーマに、18歳以下の子育て世帯を対象とした、つながりの場事業「居場所み~つけた!」を3回開催し、社会的孤立や孤独の軽減、子どもの暮らし見守り支援、子育てを地域で支え応援する体制づくりに取り組みました。
また、新たに妊娠期から出産子育てまでの子育て家庭に寄り添い、伴走型の相談支援や経済支援を実施いたしました。
「産業振興事業」では、県営中山間総合整備事業で、昨年度は下生野地区のポンプ施設工事、取水施設工事、用水路工事、下生坂地区の集落道工事を実施し、農作業の効率化及び維持管理の省力化を図りました。
農山漁村振興交付金(最適土地利用総合対策事業)では、地域ぐるみの話し合いにより、「農地を含め、地域農業をどのように守っていくか」を検討し、令和元年度にオープンしました「道の駅いくさかの郷」の運営も軌道に乗り、利用者が増えるなか、今後も村の農業振興や農家所得の向上、雇用の創出、交流人口の増加、地域住民の憩いの場としての一翼を担うものになるよう進めていまいります。
中山間地域直接支払事業は9集落において47.9haの農地を守る取組が行われており、多面的機能支払交付金事業では農地維持及び共同活動が8地区、施設の長寿命化のための活動が4地区で行われ、農地保全等に取り組みました。
生坂農業未来創りプロジェクト会議では、より実践的な農業振興策について協議し、地域の課題や必要な施策、将来に向けた農業の方向性や道の駅いくさかの郷の運営についても協議を行い、農業従事者の高齢化や農業後継者不足、農産物の価格低迷、遊休荒廃地対策など、農業を取り巻く環境が厳しいなかで村の農業の維持、発展に向けた各事業を実施いたしました。
「地域活性化対策等事業」では、新型コロナウイルス感染症は、昨年5月に感染症法上「5類」に移行し、各行事・イベント等も予定通り開催され、コロナ禍前の日常生活に戻りつつありますが、物価高騰に直面して影響を受けている村民の生活支援や地域経済の下支えとして、いくさかマル得商品券スーパープレミアムと、物価高騰対策生活応援商品券をそれぞれ発行いたしました。
災害に強い村づくり対策としては、防災士の養成や昼間の火災や大規模災害に備え、特定の活動に従事する機能別消防団員制度の導入と、日岐区に防災公園を整備し、防災力の更なる強化を図り、村民の生命と財産を守るための基盤づくりを推進しました。
昨年度に環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の採択を受けて、令和10年度までの交付金事業である脱炭素先行地域づくり事業を進めてきました。
昨年度は、村と地域エネルギー会社の2つの事業主体により、各事業を実施していくため、昨年7月に新たな地域エネルギー会社として、株式会社いくさかてらすを設立いたしました。
株式会社いくさかてらすでは、PPA方式による民家、事業所、公共施設への太陽光発電設備と蓄電池設備の導入を進めていくための調査・設計業務を行いました。
また、村で実施する事業では、脱炭素先行地域づくり事業の計画作成、設備設計等の委託業務として、生坂ダム小水力発電、自営線マイクログリッド、EV充放電、公共施設のバイオマス熱利用の設計業務のほか、村内林業構築に向けた調査設計を実施いたしました。
事業に関する地区説明会も積極的に行い、脱炭素先行地域づくり事業事務局サポート業務として、情報発信や問合せに関する窓口業務を行い、村民への合意形成を推進いたしました。
県の「地域発 元気づくり支援金事業」は、村で3事業9,593千円の支援金の交付を受け、地域づくりや地域活性化を図るための取組を行いました。
また、村の「絆づくり支援金事業」では、村内3団体に689千円を交付し、地域活動の推進に繋げました。
少子高齢化及び人口流出等による人口減少の抑制と美しい集落環境を維持するため、移住定住及び空き家対策事業補助金を設けて、空き家バンク制度を利用した移住者や老朽空き家の所有者に、空き家の改修や解体費用の一部等を補助してまいりました。
小規模である当村では、地域の特性を生かしたきめ細やかな住民サービスの提供と各分野の横断的な取り組みによる地域活性化が今後も重要となっております。
また、持続可能な村づくりのため、社会情勢等の変化にも柔軟に対応し、限られた財源を施策の目標達成のため有効的かつ効率的に活用することが責務であり、これを念頭に重点事業及び諸事業を遂行してまいりました。
普通会計の歳入決算は、村税157,979千円、地方交付税で1,429,414千円等となっており、地方交付税のうち普通交付税は1,246,597千円の交付を受けました。
ふるさと納税寄付金を積み立てました「いくさか」応援基金から40,000千円を繰り入れ、村の創生事業や福祉分野等で財源として活用いたしました。
財政運営の将来負担を軽減するため、減債基金を取り崩し、村債2件87,584千円の繰上償還を行いました。
地方債の過疎対策事業債は、総額116,400千円を借り入れており、そのうちソフト分は37,800千円となっております。
一般単独事業債等50,600千円、臨時財政対策債5,427千円の借り入れで、地方債全体の繰越分を含む決算額は172,427千円となりました。
普通会計の歳入全体は、2,546,590千円で、普通建設事業費の減少に伴い、国県支出金や地方債の発行も減り、前年度比4.0%減の、106,506千円の減額となりました。
歳出状況は、普通建設事業の脱炭素地域づくり事業、社会資本整備総合交付金事業の補助事業や県営中山間総合整備事業、緊急自然災害防止対策事業による道路改良等の単独事業を行いました。
前年度防災関連事業が完了したため、前年度比122,263千円の大幅な減額となりました。
また、義務的経費では人件費で会計年度任用職員の増員や人勧等により、9,757千円の増額、扶助費で7,258千円の増額、公債費では、繰上償還87,584千円除き、13,343千円の増額となりました。
また物件費で23,235千円の減額、積立金では財政調整基金、地域振興基金、ふるさといくさか応援基金等へ207,954千円の積立を行い、普通会計の基金残高では、前年度比95,373千円の増額となりました。
普通会計の歳出全体は2,519,477千円で前年度比3.8%減、100,553千円の減額となっております。
今後も限られた財源を施策の目標達成のため、有効的かつ効率的に活用することが責務であり、これを念頭に重点事業の推進及び諸事業の充実を図ってまいりたいと考えております。
令和5年度の各種村税、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料及び介護保険料の収納状況につきまして、現年度分の収納率は前年と比べ0.07%上昇し98.88%、滞納繰越分は13.79%上昇し28.89%、合計では0.30%低下し97.06%となっております。
昨年度は、滞納者との折衝機会を増やし、過年度分の滞納整理を中心に進めてまいりました。現在も月々決まった金額を分割納付していただくよう、引き続きお願いしている次第でございます。
当村の貴重な自主財源であります村税や公共料金等は、負担の公平性からも滞納を極力無くすようにし、各部署とも連携をして滞納整理に力を入れ、差押えや不能欠損等を適切に執行するよう進めていきたいと考えております。
そして、徴収困難な案件につきましては、長野県地方税滞納整理機構や中信県税事務所と連携を図りながら、折衝機会を増やすことによって滞納者、滞納額の減少に努めていきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
今年度の普通交付税と臨時財政対策債が決定いたしました。今年度の普通交付税は、前年度交付額より2.2%増、27,131千円増額の1,259,120千円となりました。
また、臨時財政対策債につきましては、前年度比51.9%減、2,817千円減額の2,610千円となり、普通交付税と臨時財政対策債の合計では、前年度比2.0%増、24,314千円増額の1,261,730千円となり、安定的な財政運営を行うことに資する内容となっております。
村民の皆さんの安全で安心な住み良い生活を守るために、様々な分野で課題は尽きないところですが、村民の皆さんのご理解とご協力をいただきながら、引き続きしっかりとした行財政運営を進めていかなければと考えております。
どうか、議員各位に於かれましても、生坂村のために、格別なるご指導、ご鞭撻を賜ります様お願い申し上げます。
それでは、今議会定例会に提出させていただきました議案は、報告5件、事件案3件、決算認定1件、条例案3件、予算案3件の計15件であります。
報告第6号 令和5年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率の報告について
この報告は、令和5年度の健全化判断比率及び資金不足比率について、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項及び第22条第1項の規定により報告するものであります。
報告第7号 令和5年度公益財団法人生坂村農業公社の経営に関する書類の報告について
この報告は、地方自治法第243条の3第2項の規定により、同法第221条第3項に規定する法人について、経営状況を説明する書類を作成し報告するものであります。
報告第8号 令和5年度社会福祉法人生坂村社会福祉協議会の経営に関する書類の報告について
この報告は、地方自治法第243条の3第2項の規定により、同法第221条第3項に規定する法人について、経営状況を説明する書類を作成し報告するものであります。
報告第9号 令和5年度株式会社いくさかてらすの経営に関する書類の報告について
この報告は、地方自治法第243条の3第2項の規定により、同法第221条第3項に規定する法人について、経営状況を説明する書類を作成し報告するものであります。
報告第10号 専決処分の承認を求めることについて
この報告は、令和6年度生坂村一般会計補正予算第2号で、既定の額に568千円を追加し、総額を3,306,517千円とする補正予算であります。
歳入で地方交付税を568千円増額し、歳出で教育費150千円、災害復旧費418千円をそれぞれ増額する補正予算の専決処分であります。
議案第35号 松本広域連合規約の変更について
この議案は、松本広域連合の処理する事務の変更を行なうことについて、地方自治法第291条の3第1項の規定により規約の変更を行なうもので、地方自治法第291条の11の規定により構成市村の議会の議決をお願いするものであります。
議案第36号 長野県後期高齢者医療広域連合規約の変更について
この議案は、長野県後期高齢者医療広域連合規約の変更を行なうことについて、地方自治法第291条の3第1項の規定により規約の変更を行なうもので、地方自治法第291条の11の規定により構成市町村の議会の議決をお願いするものであります。
議案第37号 生坂村認知症対応型デイサービスセンターの指定管理者の指定について
この議案は、生坂村認知症対応型デイサービスセンターについて指定管理者を指定したいので、地方自治法第244条の2第6項の規定により、議会の議決を求めるものであります。
議案第38号 令和5年度生坂村歳入歳出決算の認定について
この議案は、令和5年度各会計の歳入歳出決算を地方自治法第233条第3項の規定により、議会の認定に付すものであります。
議案第39号 生坂村保育所条例の一部を改正する条例案
この議案は、関係法令の趣旨に合わせ必要な改正を行う一部改正であります。
議案第40号 生坂村家庭的保育事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案
この議案は、関係法令の改正に伴う条例の一部改正であります。
議案第41号 生坂村国民健康保険条例の一部を改正する条例案
この議案は、関係法令の改正に伴う条例の一部改正であります。
議案第42号 令和6年度生坂村一般会計補正予算【第3号】
この予算案は、既定の額に65,905千円を追加し、総額を3,372,422千円とし、地方債の限度額を 22,810千円追加し、債務負担行為の設定1件を行う補正予算であります。
主な内容は、歳入では地方交付税 26,939千円、国庫支出金 5,412千円、県支出金2,610千円、諸収入 8,004千円、村債 22,810千円などを増額いたします。
歳出では総務費 20,580千円、土木費 22,628千円、消防費 5,342千円、災害復旧費 6,710千円などを増額する補正であります。
議案第43号 令和6年度生坂村営バス特別会計補正予算【第1号】
この予算案は、既定の額に 700千円を追加し、総額を 48,700千円とする補正予算であります。
主な内容は、歳入で繰入金 700千円を増額し、歳出では運行費を700千円増額する補正であります。
議案第44号 令和6年度介護保険特別会計補正予算【第1号】
この予算案は、既定の額に14,348千円を追加し、総額を301,548千円とする補正予算であります。
主な内容は、歳入で基金繰入金 14,348千円を増額し、歳出では諸支出金14,348千円を増額する補正であります。
以上の議案でございます。よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、挨拶並びに議案の説明といたします。
下生坂上空からの風景
▽△ 毎朝出勤前恒例の撮影は、下生坂の高台に行き、朝霧が立ち込める中、朝日が差してきた上空からの風景を撮影しました。
その他生坂村では、小学校で金管練習・家庭学習がんばり週間(~18日)、中学校で教育課程研究協議会・全校道徳、3班の皆さんの元気塾などが行われました。