新年あけましておめでとうございます。
輝かしい平成28年の新春を、おすこやかにお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
日頃、村民の皆さんには、村政運営にご理解とご協力を賜り、村民の皆さんとの協働による村づくりをさらに進めるために、それぞれのお立場でご支援、ご尽力を賜っていますことに心より感謝を申し上げる次第でございます。
さて、先月24日に閣議決定されました平成28年度予算案の総額は、過去最高の96兆7218億円となりました。医療や介護などの社会保障費が31兆9700億円と4400億円増えるのが主因であります。一方、税収の伸びを反映して新規国債の発行額は34兆4300億円と2兆4300億円減るとのことであります。
税収は57兆6000億円と今年度比3兆800億円多く、25年ぶりの高水準を見込んでおります。
また来年度、自治体に配分する地方交付税総額を今年度比1000億円減の16兆7000億円とし、景気回復による地方税収の伸びに伴い、4年連続で前年度を下回りました。しかし、地方税や交付税など自由に使途を決まられる一般財源の総額で見ますと、1000億円増の61兆7000億円を確保し、自治体が地方創生や社会保障、教育など様々な事業に取り組めるよう、今年度並みは維持されました。
一般財源のうち、地方税収は1兆円増の41兆3000億円を見込み、2008年に起きたリーマン・ショック前の水準に達したのに伴い、当時の経済危機によります税収の落ち込みに対応するため、2009年度から始まりました交付税の上乗せ措置、今年度は2300億円の「別枠加算」は廃止されることになりました。
財源不足を補うために発行しています臨時財政対策債は7000億円減の3兆8000億円となり、国の財政健全化と歩調を合わせ、地方財政の健全化に取り組んでいくとのことでございます。
そして、国の平成28年度の予算案や今年度の補正予算案等も加味しまして、先月25日に平成28年度予算編成打合せ会議を開催しました。「生坂村第5次総合計画」を根幹に「いくさか村づくり計画」を実施計画として進めています村政運営に加え、今年度策定しました「生坂村まち・ひと・しごと創生総合戦略」を念頭におきまして、引き続き様々な課題解決に向けて、職員も知恵を出し創意工夫をして、真に必要とされる事業へ限られた財源を効果的に配分しなければと考えているところでございます。
また、引き続き経費の節減と合理化に努めながら、村民の皆さんのニーズに応えられる施策の推進を図り、将来の見通しを充分考慮した有効で効果的な予算配分に努めてまいります。
そして、村民の皆さんにアンケート調査や聞き取り調査の実施、「生坂村総合戦略策定審議会」の委員さんになっていただくなどのご協力により、「生坂村の人口ビジョン」及び「生坂村まち、ひと、しごと創生総合戦略」が策定できましたことに対し、御礼を申し上げる次第でございます。
この生坂村の人口ビジョンを達成するためには、総合戦略に掲げましたKPI(重要業績評価指標)に向けて施策を講じてまいりますとともに、「生坂村総合戦略策定審議会」において、PDCAによります効果の検証をしてまいりたいと考えております。
生坂村の人口ビジョンを達成することは容易なことではないと痛感しております。それには、村民の皆さんと一緒に、人口減少の抑制と人口減少を踏まえた生坂村の維持・活性化に向けて、生坂村総合戦略等によりまして、真剣に取り組んでいかなければと考えているところでございます。
それでは、昨年を振り返りますと、2月に行われました村長選挙では、16年ぶりの選挙戦となり、多くの村民の皆さんのご支援・ご支持を賜りまして、三選を果たすことができましたことに、心より御礼を申し上げます。そして3期目も、村民の皆さんのご理解とご協力の基、協働による村づくりを継続させていただいているところでございます。
それでは、重点事業の「子育て支援事業」としましては、水道料金の軽減と3歳児以上の保育料の半額を交付しています「健やかに産み育む子育て支援金」に加え、3歳児以上、第3子以降の保育料を無料にいたしました。
村単福祉医療費の18歳までの無料化、インフルエンザ予防接種など各種ワクチンの接種の全額助成も18歳まで実施しております。
児童館・生涯学習施設「たんぽぽ」では、今年度から子ども子育て支援事業「いくっこ 子育て支援」により、子育て支援係を設置し新生児から18歳まで全ての子どもと親や家族を対象に、保健師や保育士によります育児相談・支援を主にした総合的な子育て支援「ぴよぴよひろば」を行っております。
また、司書、学習支援員、指導員、コーディネーターと多くのボランティアの皆さんのご協力をいただき、さらに松本大学との域学連携も進める中で、子ども達が児童館で勉強やスポーツができる環境を充実させ、学力・運動力の向上に努めております。
小中学校体育館の非構造部材耐震改修工事につきましては、先月に竣工検査をしまして、吊り天井の撤去による壁の改修と断熱材の吹付け、バスケットボールのゴールの補強及び撤去、ガラスには飛散防止のフィルムを張り、額などは落下防止のため、天井からワイヤーで補強するなどのしっかりした耐震補強ができていました。
また、照明のLED化では、耐用時間が6万時間で、今までより明るくなり、児童・生徒達が運動や発表会等で使いやすくなると感じました。
それらに加え、出産祝金・入学祝金・奨学金制度、給食費の補助等の子育て支援事業により、安心して健やかに産み育てられ、次代を担う子ども達が個性豊かに育まれる環境づくりと教育の充実強化に努めているところでございます。
次に「福祉の村づくり事業」では、健康福祉課の保健師により、積極的に保健指導に力を注いでいる効果もあり、当村の医療費の伸びが抑えられ、基金が増えている状況から、国保税の国保の医療費分、後期高齢者医療への支援金、介護保険への納付金の国保税の税率を約12%引き下げることができました。
しかし、今年度は病気が重篤化した方や、大けがをした方などお出でになり、医療費が伸びている状況から、基金の取り崩しが想定以上になってしまうと危惧しているところでございます。
また、高齢者となっても安心して住み続けられることのできる地域づくりと生活支援サービスを目指して、第6期介護保険事業を実施しております。介護保険料は、基準額で月4,700円と県下の平均より700円程安い介護保険料でございますが、施設介護の方が介護保険計画以上に増え、現状の介護保険特別会計の運営が厳しい状況でございます。
やはりそれらの対応には、村民の皆さんに健康管理の意識を高めていただき、健康保持や介護予防に努めていただきますとともに、保健師によります健康指導や、特定健診・特定保健指導の受診をしていただき、健康寿命を伸ばしていただきますようお願いする次第でございます。
また、社会福祉協議会が介護認定者に合わせた介護サービスを、デイサービスセンター「かしわ荘」と地域密着型デイサービスセンター「はるかぜ」の両施設で、安心して介護が受けられる体制を維持していただいております。
そして、社会福祉法人として、介護サービス、高齢者生活福祉センターの運営、軽度生活支援、配食サービス、居宅介護支援、福祉有償運送サービス等の充実強化に努めていただいているところでもございます。
いくさか敬老の日は、今年度も希望者には米寿のお祝いを会場でさせていただくなど、高齢者のご要望を反映しながら行い、180名ほどの皆さんにご参加をいただきました。久しぶりにお会いされた方も多く、賑やかに会話が弾み、盛大に開催できました。今年も皆さんに喜んでいただけます、楽しい「いくさか敬老の日」を開催したいと考えているところでございます。
これらによりまして、健康な暮らしの継続と福祉の充実により、高齢者の生活の安定に努めるために、引き続き「福祉の村づくり事業」を重点事業として取り組んでまいりたいと考えております。
次に「産業振興事業」としましては、村民の皆さんから要望をいただきました、農業用用排水施設整備などの農業基盤整備事業や、農業集落道整備などの農村生活環境整備事業、直売施設及び加工施設の建設によります6次産業化等が総合的に行えます、「県営中山間総合整備事業」に着手しまして、今年度は換地業務を進め、来年度からは圃場整備の工事を行ってまいりますので、地元の皆さんには事業に対しましてのご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。
また、ラフティング・パラグライダーなどのアウトドアツアー、農業体験ツアー、大城・京ヶ倉トレッキングツアーなどの体験型観光を振興し、村の活性化とやまなみ荘の誘客につなげております。
そして特産品開発部では、大豆、小麦などの村内産農産物の有効活用を図り、広く村外へも販売していただくなど「かあさん家」を健全経営して、雇用確保の点でも貢献していただいていると感じております。この様に6次産業化の取り組みによります経営の複合化、特産品開発などを進め、さらに健全運営に努めていただいているところでございます。
「男・女村活性化対策」は、村おこしで活躍していただいています「暮らしを楽しむセミナー」として、「おじさま倶楽部」「女・人輝きくらぶ」等の活動でグループ育成の成果が出てきております。
「おじさま倶楽部」は、「信州ひすいそば」を栽培し、「新そばを味わう会」や、やまなみ荘での手打ちそばの提供、どぶろく「腹の神」の醸造などに取り組んでいただき、「女・人輝きくらぶ」では、「第23回信州の味コンクール」で知事賞を受賞しました「筍寿司の素」の評判がよく、醤油造りにも取り組み、給食センターに寄付していただくなど多岐に渡って活動していただき、村の活性化に大変貢献していただいております。
「お父さん頑張る会」は、今年度20周年を迎え、農業公社の豆腐や味噌などの原料になる品質の良い大豆を1町歩ほど栽培されるなど、大変多くの団体・グループの皆さんが、村づくり、村の活性化、環境保全等々のご活動をされているところでして、それぞれの立場でのご活動で、村政運営に参画されている割合は日本の自治体の中でトップクラスであると、心から感謝と敬意を表する次第でございます。
生坂マル得商品券は、商工会主催の商工感謝祭を開催していただき、購入者には抽選により賞品を贈るなどの付加価値を加えたこともあり、定着して来たと感じております。また、経営指導の補助、個人住宅リフォーム補助と薪ステーション運営事業等により、商工業者の育成と経済の活性化に取り組んでおります。
以上の農業、商工業の振興、6次産業化等によります「産業振興事業」で当村の経済の活性化を目指しております。
次ぎに「地域活性化対策等事業」としましては、今年度も新築2棟の定住促進住宅の建設と、いくさか大好き隊員の増員によりまして、引き続き環境保全・農地保全等の作業、地区の行事・伝統文化の継承、村の観光や情報発信、高齢者の見守り、農業支援等を「地区担当職員」と連携をして、地域・村の活性化につなげていくために、引き続き活動しております。
また、有事の際に備えていただくため、昨年度整備しました村の地域防災計画を基にしました、家庭用防災マニュアルや各地区の住民懇談会において作成していただいた自主避難ルールを活用して、11月15日に村内の全10区で避難訓練を実施させていただきました。
今年度11月から行いました「防災・ごみの減量化等地区懇談会」でもご意見を伺い、スムーズに行えた地区や色々と課題があった地区があり、今後避難訓練方法等を検証し、それぞれに対応してまいりたいと考えているところでございます。
また、小立野区・日岐区の公民館の耐震補強工事は、小立野区の公民館は完成し、新年会が公民館で行われるとのことですし、日岐区の公民館は足場の撤去を残すのみでほぼ完成した状況でございます。
これらの取り組みによりまして、地域防災力の強化と防災・減災対策に取り組み、「災害に強い村づくり」を進めてまいりたいと考えております。
社会資本整備総合交付金によります村道改良事業では、草尾高鼻地区の村道1級1号線等の生活道路の改築工事に併せまして、老朽化した橋梁等の道路施設の修繕、法面保護工事も実施しているところでございます。
また、昨年6月23日の午後5時40分からの時間雨量42.5mmの集中豪雨によります、土砂崩落、流出等により、村道、農道、農地等が災害に見舞われました。早速7月28日には臨時議会をお願いし、災害対応の事業費等を計上して、早期に復旧工事ができます箇所から取り組み、12月定例会まで関係予算を計上し、県関係の対策工事も進んでいるところでございます。
そして、自助・共助・公助を基本とし、村民の皆さんと行政が対等な関係と信頼関係で結ばれ、さらなる協働による村づくりを推進するための「絆づくり支援金」は、選定の結果、8事業、総事業費6,582千円余りで、歴史伝承事業、神社改修事業、特産品推進事業、地域の魅力発信事業、公民館改修事業と多岐に亘り、各地区や団体・グループで協働によります活動を行っていただいております。
これらの事業により人口維持対策及び安全安心な生活の確保と地域・村の活性化に努めております。
以上の4つの重点事業をそれぞれに実施することで、それによります相乗効果を引き出し、第5次総合計画の課題解決や生坂村総合戦略によります方向付けをしてまいりたいと考えているところでございます。
やまなみ莊の運営に付きましては、毎月定例会を開催し、運営委員会は春夏秋冬に1回ずつの開催をお願いし、健全経営に向けて職員一丸になって頑張っているところでございます。
この年末年始は、やまなみ荘開設して31年目で初めて通常通り営業し、2日には鏡開きをし、お餅を搗いて、お客様に振る舞うイベントも行います。
また、今月には「農村集落活性化支援事業」により、連携を考えています北海道標津町の海産物を直送していただき、北海道直送フェアを実施する予定でもあります。
今年度は新たな本格的なラフティングコースを設け、パラグライダー浮遊体験、大城・京ヶ倉トレッキングなどのアウトドアプランも充実させてまいりました。
また、お客様や運営委員の皆さんのご意見・ご要望により、分煙機を設置しましたし、クレジット決済もできるようにするなど、運営努力をしているところでございます。
しかし、消費税が8%になってから、食材などの原材料費が高騰しておりまして、売り上げが伸びていても仕入れ等の経費がそれ以上に嵩んでしまい、9月28日に開催させていただきました福祉センター運営委員会で、やまなみ荘の利用料の値上げについて協議していただき、今月29日の運営委員会で結論を出していただくことになっております。
先月19日からは、スポーツパークに昨年より10万球も多い、約13万球のイルミネーションが輝いて、とても綺麗ですので、村民の皆さんには、是非やまなみ荘に足を運んでいただき、引き続きのご利用をよろしくお願いいたします。
村営バス「いくりん」につきまして、今年度、「地域公共交通活性化・再生総合事業」の実証運行を開始しました平成21年度以降、最も多い利用者であります。現在の「地域公共交通確保維持改善事業」の補助金では、市町村ごとに算定される国庫補助上限想定額が決められており、年々減額されているところですが、特別交付税で8割の補填がありますので運行できている状況でございます。
村営バスの運行は、生坂村で生活する上で欠かせない事業であり、利用者の皆さんのご意見、ご要望をなるべく反映し、明科駅でのJRとあづみんの接続を考慮して、ダイヤ改正等を協議するなど、村民の生活の足の確保と利便性の向上、効率的な運行によります財政負担の軽減など、持続可能な運行を進めるために、引き続き村民の皆さんのご利用をよろしくお願いいたします。
次ぎに、今年度も県の「地域発 元気づくり支援金」で実施しています、村名申請の6件と団体申請5件を合わせて11件で、昨年度より多い14,544千円の支援金を頂戴し各種事業を行っております。
第1次募集では、農業生産活動や遊休農地発生防止活動の支援などの「農地復活応援団事業」、食に関連した行事などを暦にして整理し、行事食や伝統食レシピを冊子にします「伝えて活かすグルメ食暦事業」、生活習慣病予防、介護予防に効果的なウォーキングをテーマにマップの作成やコース整備などの「歩いてつながる地域の輪事業」、各地区の文化財や史跡、村の成り立ちから歴史、自然環境に至る冊子を作成します「i-Life i-Learn i-Like i-Tell事業」、地域防災計画の住民用マニュアルや避難マップ、災害備蓄品の配布を行い、更なる防災意識の普及・啓発を図ります「地区の防災安心応援事業」であります。
また、団体事業として、灰焼きおやきとパン、ピザ、菓子などの技術面の強化と「粉もん工房」の広報活動などの「21世紀のおやき作り~粉を活かした元気な村づくり~」、都市部の観光客にアウトドアを核とした魅力的かつ体験型の観光地づくりを進めます「アウトドアで村おこし事業」、これまで地区で栽培されてきた農作物の掘り起しや推奨作物の栽培研究を行い、地区の特産品の開発や供給体制の整備を行うなどの「大日向地区 集落再熱事業」、荒廃農地を借り受け、低樹木栽培方式による柿園の造成を行い、乾燥施設を設置し、安定したころ柿の出荷を目指します「川霧にはぐくまれる柿・めじろの里づくり事業」であります。
第2次募集で採択されました事業は、家庭ごみの大半を占める生ごみをギュっとしぼり、一人5gの減量を全村民で行うことにより、3.5tの減量を図ります「4Rで1日5gごみの減量事業」、スポーツパーク内の遊歩道沿いの街路樹等に約13万球を装飾しながら婚活イベントを開催します「イルミネーションの光とともに村の魅力・出会いの場提供事業」の2事業でございます。
今年度もこの元気づくり支援金事業で、村民の皆さんが協働による事業を実施していただき、さらに地域、村の元気を生み出す取組で、村の活性化、生きがいづくりに結びつけ、村内外に生坂村のパワーと素晴らしさを発信していただいていると感じているところでございます。
そして今後も、第五次総合計画を根幹にして「いくさか村づくり計画」を実施計画としての村政運営に加え、「生坂村まち・ひと・しごと創生総合戦略」との整合性も持たせ、村民の皆さんのご理解とご協力の基、協働による村づくりに寄りまして、「やまなみに抱かれ、いつまでも楽しく暮らせる未来を創り出す村」という将来像と「生坂村人口ビジョン」の実現を目指してまいります。
それには健全な行財政運営に努める事により、持続可能な行政を推進していき、計画の実現に邁進していかなければならないと考えております。村民の皆さんが見える規模の基礎的自治体であり、村民の皆さんとの対話を重視し、村民の目線で考え、村民の立場になって行動し、楽しく暮らせる未来を創り出す村づくりと開かれた村政のための情報公開に努めていかなければと考えております。
第五次総合計画のキャッチフレーズであります「犀川の朝霧のように村民の希望が翔け昇る郷 いくさか」に愛着と誇りを持っていただき、地域の絆を大切に、支え合い守り育てていこうという責任感を共有する中で、村民の英知を結集して、自信と希望を持って、安全で安心して暮らしていける生坂村であり続けるために、本年も村民の皆さんのご理解とご協力を引き続きお願いする次第でございます。
結びに、生坂村の発展と村民の皆さんのご健勝、ご多幸をご祈念し、本年も、変わらぬご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、村民の皆さんにとりまして、幸せ多き年となりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。