信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

平成27年度 農村集落活性化支援事業の視察研修1日目

2016年01月15日 | 私の活動報告
 14日(木)午前7時に山清路を出発して、群馬県方面に視察研修に向かいました。直売施設及び加工施設等建設検討委員会と生坂農業未来創りプロジェクト会議しごと対策部会の皆さんにお声がけし、私を含め23名の皆さんに参加していただきました。
 最初に群馬県安中市の「碓氷製糸工場(碓氷製糸農業協同組合)」に行き、全国の養蚕農家が生産する繭を生糸に加工している日本唯一の組合製糸工場で説明をしていただき研修をしました。
 養蚕農家は、50年前に群馬県だけで約8万軒、製糸工場が300社もありましたが、現在は全国で約500軒、工場が2社だけだということでした。
 生繭の乾燥には5~6時間掛かり、10Kgの生繭で着物2枚ほど作れ、蚕10Kg(5,000頭)で生糸が2Kgでき、純国産は全国シェアの1%以下であると説明していただきました。
 養蚕農家の平均年齢は、70歳以上であり、年々生産が減少していますが、群馬県と富岡市は、補助金を出していることがあり、群馬県は生産が若干増えているとのことでした。
 しかし現在、養蚕農家では生活ができないと言われ、当村も昭和時代に養蚕が盛んでありましたが、平成に入る前から1軒も残っていないことでも、養蚕による新たな産業創出には課題が多いと感じました。

▽ 群馬県安中市の「碓氷製糸工場(碓氷製糸農業協同組合)」の模様です。






 次に、群馬県利根郡川場村の「道の駅 川場田園プラザ」に行き、川場村で採れた新鮮野菜や虹鱒「ギンヒカリ」、群馬産「もちぶた」などの食材を使った昼食を食べた後、駅長の小海一則さんから、川場村が「道の駅 川場田園プラザ」を建設した経過や現在の運営状況等を詳しくお聞きしました。
 川場村は群馬県北部に位置し、現在の人口3,500人弱、面積が85.29㎢の武尊山の南麓に広がる自然豊かな農山村です。田んぼ、畑、果樹園、養蚕農家の大きな屋根、白壁の土蔵、その脇を流れる小川など、関東でも数少ない農村の原風景が残る村の一つであるとのことでした。
 川場村が現在に至るまで二つの転機があり、一つ目は、1981年に世田谷区と第二のふるさとづくりを目指して「縁組協定」を締結したことであると言われました。
 世田谷区から選ばれた理由は、「何もない村」ということでしたが、協定以来、両区村の小学校5年生が約12日間滞在して、農山村と都会の生活を経験するなどの交流を続け、世田谷区民170万人が村に訪れていて、都市と農村の交流事業として国内外より高い評価を受けているとのことでした。
 二つ目は、農業と観光を合わせた取り組みを考え、農家民宿に来られていた東京農大の先生方に「農産物、観光品をアピール・販売する方法」「交流が図れる施設」について指導・助言を求めたことによって、「道の駅 川場田園プラザ」の建設構想が浮上したとのことでした。総事業費31億円、国・県より13億円、残りを農水系の交付金で賄い、村の出資は2,000万円位とお聞きし、その当時は率の良い交付金事業が多くあったことに驚きました。
 現在は、150万人以上が訪れていて、約80%が関東地方で70%位がリピーターとのことであり、世田谷区民の口コミが大きいとも言っておりました。また、「関東好きな道の駅」5年連続(‛04~‛08)第1位、国土交通省全国モデル★★★(スリースター)選定など、多くの賞を受賞されるなど素晴らしい運営内容に感服しました。
 しかし、最初から順調だった訳ではなく、15年間は赤字が続き、7年前から「株式会社 田園プラザ川場」の社長を民間からお願いし運営を任せてからは、村に年1,000万円ほど寄付をされているとのことでした。
 その他にも「道の駅 川場田園プラザ」内の「ビール工房」「ファーマーズマーケット」「レストラン武尊」など多くのお店や体験等についてお聞きしましたが、6次産業化の前に、販売先・売場の整備が先であり、「地域の得意な物や道の駅に来ないと買えない、食べられない物」「本物・本筋の物」を提供できることが重要であると言われました。
 私としても、お客様が通過する時に寄る道の駅ではなく、買物や飲食を目的に来ていただける道の駅でなくてはいけないという考えから、納得する点や参考にしたい点が多くあり良い研修ができました。

▽ 「道の駅 川場田園プラザ」の模様と小海駅長さんから説明を受けているところです。






 初日最後は、群馬県沼田市利根町の「利根町地域活性化協議会」の皆さんの活動状況の説明をお聞きし、意見交換をさせていただきました。当協議会の金子会長さんは、我々が宿泊した老神温泉の「仙郷」の会長さんでもあり、色々とお世話になりました。
 利根町地域活性化協議会は、平成26年4月、地域活性化協働活動を通じ、高齢者の生きがいづくり、都市とのグリーンツーリズム等観光と連携した交流の促進、子供達への老神地区の文化の伝承等の地域振興策を推進し、雇用の創出、交流人口の増加、農業所得の向上等を目指し老神地区の活性化を図ることを目的に設立されたとのことでした。
 活動内容は、朝市の農林産物直売所及び都市部での出張販売と当地区のPR、9月最後の土日に開催されているそば祭りの時の地元産そばのPRやそば教室、そばレシピコンテストの開催、米作りの体験ツアーの実施、地域住民や子供達に当地区の農業・農村文化の継承などを行い、高齢者の生きがいづくり、都市との交流、雇用の創出等で活性化が図られてきたと言われていました。
 我々からは、老人会の活動や取組内容、そば祭りやそばの栽培状況、後継者や移住者の現状、平成の合併後の人口推移、活動の今後の課題等の意見交換をさせていただきました。
 平成の合併後の人口減少は著しく後継者・移住者は今後の課題の一つでありますが、これらの取り組みを続けることで、恵まれた自然環境、伝統・文化等の地域の素材を活かして、農林漁業体験や地場農産物を使った郷土料理を楽しむなどのグリーンツーリズムを推進して老神地域に滞在していただくことや、高齢者が暮らしやすく、知恵やノウハウを子供達に継承していくことなどの取り組みを続けられるとのことであり、当村とも交流を深めていただきながら、今後の活性化に向けて頑張っていただきたいと感じました。

▽ 利根町地域活性化協議会の皆さんと意見交換をさせていただいているところです。お忙しい中、横山沼田市長さんがお見えになり、今年の大河ドラマ「真田丸」の主人公 真田幸村の兄、信之が治めた地「もうひとつの真田の舞台」として注目されているなどと、沼田市の紹介をしていただきました。




 朝早く出発しての視察研修でしたが、疲れも見せずしっかりと研修をしていただきありがとうございました。また、対応していただきました視察先の皆さんには、分かりやすく役に立ちます説明等をしていただき感謝を申し上げます。