ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

鮎のわた

2005-09-01 21:16:32 | 俳句
      下り鮎供養の骨湯にて候

      言へぬことの一つや二つ苦うるか

      湯加減を覗きに来るやちちろ虫

      床下を流れ行く川鮎のわた

      盆の窪かすめし秋の翅音かな    


俳句7句

2005-08-03 23:37:04 | 俳句
                      香魚

 
                香魚てふ運命の串を打たれけり

                落ち鮎の落ち行くさきの稲びかり

                うるか苦し悟りを味にたとふれば

                哲学の渦巻きゐるや滝の底

                万緑の青極まりて黒くなる

                相聞へつづく相聞峡の蜩

                蝉穴の奥のかなたの薄明かり
 

 


照り翳り

2005-06-30 10:51:08 | 俳句
          志半ばを鮎の釣られけり

          ゴッホの色とも麦秋の那須野原

          この世とは寂しきところ野菅草

          靴一つ路肩に灼かれゐたりけり

          照り翳りして関東平野梅雨に入る