フランス西部ブルターニュ地方で暮らしている従弟が
ひさしぶりに帰ってきた。
向うに住んで30年になるが、
ペンションを経営しながら好きな絵を描いて生活している。
フランス人の妻との間、3人の子にも恵まれた。
倫理や道徳が荒廃してしまった日本から
遠く離れ ゆったりと暮らしていけるのは幸せである。
カルヴァドス(林檎酒)のように
ブルターニュの透きとおった空気に抱かれ
彼も亦 よく醸成している。
576年前の今日は、
聖女ジャンヌダルクが火刑となった日。
英国との百年戦争の際、オルレアン解放に貢献し
仏国に勝利を導いたが、その後の
コンビエーニュの戦いで捕虜となり処刑された。
オルレアン入城など勇壮な絵画があるが、
牢獄で枢機卿に尋問される場面の作品がいい。
暗闇と赤い法衣との対比、
勇敢な「オルレアンの乙女」も神の前では敬虔なひとりの娘。
二人の人物がとても生き生きと描かれている。
〈 作者はポール・ドラローシュ 〉