ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

猫の恋

2011-02-25 11:24:43 | 日記・エッセイ・コラム

このところ寒さがやわらいできて
いちりん又いちりん、梅の花がほころび始めた。
いよいよ猫たちの恋の季節・・・・

  あぁ ロミオさま!
   おぉ ジュリエット!
     ロミオさま! ジュリエット! あぁ おぉ あぁ おぉ

月光に濡れる塀の上が恋の舞台、
赤ちゃんのような声で一晩中求愛の歌がつづく。
 
うるさいなんて思わない、かつては僕も猫だった。

草つゆに裾をぬらし 霜を踏みしめ
非常階段を上ったり下りたり
西空に傾くあけの明星がとても大きく
ふりかえれば窓の灯がまだぼんやりと・・・・・・

時はうつろい流れ、
ドンファン猫は腰痛をかかえ炬燵の中で丸くなる。
姫の腹をくすぐったり 
寝ころんだままパンをかじったり
それでも時おり、がばっと思い立ったようにパソコンに向かい
抒情詩など書いているのは
未だに情炎がくすぶっているから・・・・・

     遠き日へこの身を運べ春一番


夜想曲

2011-02-24 11:44:27 | 日記・エッセイ・コラム

ゆうべはBS放送で『戦場のピアニスト』を観た。

ワルシャワの廃墟を生き抜いた
ユダヤ系ポーランド人ピアニストの物語。
監督はロマン・ポランスキー。

ひたひたと迫りくるナチスの恐怖・・・・
戦争の下で兵士が死ぬのはやむを得ないが
無抵抗の民間人が追い回され
虫けらのように殺される光景は余りにも無惨。
  神など嘘っぱち! 何処にも存在しないと思ってしまう。

とちゅう、気分が悪くなってチャンネルを変えようとしたが
結局終わりまで観てしまう。

唯一の救いはショパンの「夜想曲第20番」のピアノ・ソロ。
 うつくしい調べがこんなにも切ないとは・・・・・・

チュニジアからはじまった民主化運動がエジプトを経て
野火のようにアラブ地域に広がっている。

今どき、憲法も選挙もない国家が存在しているとは驚き。
しかも大国がそれら独裁国家を陰で支援しているという事実、
その罪は重大だ。

それにしても
独裁者の圧政から自由を得るために
大勢の生命が犠牲となり
21世紀の今も昔とちっとも変わりないとは・・・

     血に染まるアラブに咲けよ黄水仙


数珠

2011-02-23 13:00:45 | 日記・エッセイ・コラム

ネット通販の魔力にはまって
今度は数珠など買ってしまった。

  尺二艶消し縞黒檀茶水晶小田巻梵天房
主に真言宗に用いられるもので結構洒落たお数珠さん。
たいそう罰当たりなことだが早く手に巻いて出掛けたい気分。

とはいえ、そのようなことが思い通りにいくわけがなく
抽斗の奥にしまいこまれた。

友人の息子が立派な坊主になったことは
以前ブログにも書いたが
高校では暴れん坊で随分と先生の手を焼かせたそうだ。
それが今では神々しいほどの僧侶に仕上がって・・・・・

周りからはみ出した子が、
かえって面白い人間になることもあるから
AとかBとか牛肉
のランク付けのように
子供を選別するのはよくない。

個性こそ大事。
規格品に当て嵌めないで
個性を発見し個性を伸ばすことのできる
環境をあたえてやることが大人の仕事


 親のひくチェロの音をいつも聞いていたから・・・・
 家の中に書物がたくさんあったから・・・・・
一流の音楽家や作家たちの回顧談の中でよく耳にする話。

古い譬えになるが、孟母三遷こそ教育の原点。

おおきな数珠を回しながら
わが家の仏壇に念仏を唱えてくれたあの坊主の
大きな背中を思い出す。

     梅一輪まず仏壇に供えけり


春は名のみの風の寒さよ

2011-02-20 15:37:18 | 日記・エッセイ・コラム

理解できないのが愚鈍なのか
理解させられないのが愚図なのか

長期の一党独裁からやっとの思いで政権を勝ち取り
 「新しい時代の夜明け」 「国民主権の政治」 と
だれもが期待に胸ふくらませた。

しかし、つかの間の夢。

国民の期待をしり目に
内部から崩壊させようとしている小沢・鳩山両氏の一連の言動を
凡夫の知能ではとても理解しがたい。

ほんとうのところ彼らは何をしようとしているのだろうか。

せっかく手に入れた千載一遇の政権を
あっさり手放すことになろうとは。

長い野党暮らしが身について
責任のとれない体質になってしまったのだろうか。

彼らのやろうとしていることがさっぱりわからない
だからこそ腹が立つ。

     吟行は我が内にあり鳥ぐもり


い~い湯だな

2011-02-18 11:23:17 | 日記・エッセイ・コラム

「熱い風呂にはいると急激な血圧変動を起こし危険」
専門家の勧めに従い 
それまでの43度から41度に下げた。

はじめはなんとも落ち着かなかったが
このごろは体が慣れてきてずいぶんと長湯になった。

しかし、長湯は溺死の危険もあるというので
フタを胸のところまで敷いて入ることにしている。
居眠りして前のめりになっても
顔がフタにぶつかるので溺れる心配はない。
・・・・・歳をとるということはそういうことにも気を配らねば。

風邪引かせまいと
幼いころは熱い湯に百まで数えさせられた。
そうでないと出してもらえない。
八十を数えるころには意識はもうろう、
冬場の入浴はゆで蛸のようなものであった。

ところで身に付いた習慣というものは
なかなか消えることがなく
今も首まで浸って
数をかぞえている自分を発見することがある。
・・・・・九七、九八、九九、ひゃーく!

          道問へば真っ直ぐゆけと黄水仙