ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

出合い、ふれ合い、かかわり合い

2008-06-17 15:38:57 | 日記・エッセイ・コラム

6月17日は
弁慶と牛若丸が五条大橋で出合った日、
828年前の今日のことである。

出合いとは核融合のようなもの。
AとBの融合でとてつもないエネルギーが生じることもある。
その日、弁慶と出合わなかったらその後の義経の生涯は
異なったものであったかも---------------

小学2年生の学芸会で牛若丸をやった。
裏のおばちゃんに木刀を作ってもらい本番に臨んだが
大天狗が偉そうに座ったまま、ちっとも働かない。
ぼくは主役だというのに小天狗相手に忙しい。
とつぜん大天狗の頭を木刀で一撃、
おん年8才の大天狗は大声で泣き出し、急遽幕引きとなる。
ずっと後になって判ったことだが、担任のふみ先生は
大天狗の保護者に平謝りだったという。
57年もむかしのこと、
ガキのやったこととはいえ、相済まぬことでした。

さて、我が人生の中に核爆発ほどの出合いはあっただろうか。
「出合い ふれ合い かかわり合い」 を
モットーにしてきたつもりだが
汗顔の出合い、悔恨の出合いばかりが思い出されて
なんとも恥ずかしいかぎりである。

今も日々新しい出合いがあるが
はたして爆発を起こすほどの奇跡的な出合いは
このあと用意されているだろうか?

  夜盗とも月下を歩くひきがえる    やす


スモークツリー

2008-06-15 13:16:57 | 日記・エッセイ・コラム

知り合いが「スモークツリー」の一枝を届けてくれた。
はじめて見知った木なので、
さっそくインターネットで調べたところ
いくつかの種類があり庭木用として人気があるようだ。
ネットは図書館に行かなくても済むので助かる。

  スモークツリー
 カスミノキ、ケムリノキとも呼ばれ、ウルシ科の落葉高木。
 原産地は中国南部から欧州南部。
 6月から7月に開花し、その羽毛状の花が煙や霞のように見える。
                          
 (ネットより)
苗木を注文しようとしたが、販売は10月過ぎになるという。
たしかにこの時季は移植にふさわしくない。

大きくなるのを待っていられないせっかちな性質なので
小さな苗木を買ったのでは満足できないかも。
友人のHPで見たブラシの木にしても
この頃珍しい樹木を知る機会があって
ネットの画像を開いては楽しんでいる。

きのう、美術館にやってきたある団体の中に
スモークツリーを知っている方がいて
屋敷で大きく育っているので、いちど見に来てと言う。

  
知らぬことばかりの世なり冷奴    やす


アリに習う

2008-06-14 14:29:46 | 日記・エッセイ・コラム

梅雨入りしたとたんに、炎天がつづき
アリたちが汗水たらしながら黙々と働いている。
仕事の役割はそれぞれ違いがあっても
だれもが平等で規律正しく、贅沢も無ければ貧困も無い。
搾取や不正も存在しない清廉な社会である。

さて人間は、といえば相変わらずの我田引水
他人が渇いていようと飢えていようと、とんとお構いなし。
人は、党利党略に奔走し
人は、既得権益を死守しようと新手の法案を次から次へと編み出し
人は、利益至上主義から脱け出せず貧富の差を生み出している。

隣人の飢えを目の当たりにして
自分だけの団欒を心底よろこべるだろうか。
平等とまではいかなくとも
我欲に走らず、もう少し上手に分配したら
お互いもっと穏やかで平和な暮らしができるものを。

食べきれないほどのものを
遣いきれないほどのものを抱え込んで、はたしてそれが------

サル山のサルが口いっぱいに頬張り
そのうえ両手には
バナナを掴んで放そうとしない。
それを追いかけるサル、追いかけられるサル。
サルは、
だからいつの世にもサルでしかないのだ。

  
 虫になりたや芍薬の花ぶとん   やす




さらに更に

2008-06-09 13:19:08 | 日記・エッセイ・コラム

教諭の女子トイレ盗撮
省庁職員によるTAXI料金のキックバック
サバイバルナイフを振りかざして群集を襲い
20万頭の犬が薬殺処分され

夢と信頼の失われた社会で
人間としての温かな感情が消えていく。
得体の知れない焦燥感に 
いつ爆発しても不思議ではない正常と思われている人々。

 正常は異常を孕み
 異常は正常を呑込み
 もはや区別がつかない。

(真面目でおとなしい人だったのに------------)

狂気はだれの心にも隠れていて
隣りに座った人が、あるいは向うからやって来る人が
急に暴れだすかもしれない。
幼児に熱湯を浴びせたり
愛し合っているさ中に突然首を絞められたり

さらに更には こんなことを書き込んでいる自分が
とつぜん!-------------------

人間ってこわい。自分ってこわい。

   梅雨寒しニュースに声を失くしけり   やす


まさか!

2008-06-06 17:16:46 | 日記・エッセイ・コラム

山林に捨てられたゴミの中から白骨体が発見された。
( キャスター付の旅行ケースに押込められて )

その日は年に一度の自治会をあげての清掃日
黒いケースは不法投棄されたマットやソファーの陰にあったという。

白骨体が誰かは知らないが
直売所に行くのに時々、その山道を通ることがある。
気づかなかっただけで、ぼくの視界には入っていたかも知れない。
昼なお暗くさびしい山道である。
3年前にも遺体が放棄されていた処で
犯人は未だ判らない。

かつて犯罪は都市部に集中していたのが
このごろは地方の穏やかな山間地にも広がってきて
麗しの田園地帯などと安心してはいられない。

尊い人間の生命がゴミと一緒に捨てられて
供養もされないままに朽ち果てていく。
在りし日のその女性も、めくるめく恋をしたであろうし、
友人とのお喋りや楽しい旅行もしたであろう。
明日への夢や希望がたくさん胸にあっただろう、
まさか、
自分の終わりが狭い旅行ケースの中で腐っていくなどとは
思いもよらぬことであったろう---------

まさか! まさか!
眼を覆うような、耳を疑うような事件があとを絶たない。

   
ほととぎす啼く何処かで今も人ごろし    やす