カーブの多い県道沿いに
カンナの花が朱色を濃くしている。
熱烈なフラメンコの群舞から
今は秋日を浴びながら
穏やかに瞑想のたたずまい。
刈田の向うには
林檎園の幟がはためき
天はどこまでも高く碧い。
三つ年上のいとこが亡くなった。
若いころは石原裕次郎に似てカッコよく
わたしの羨望の的でもあったが
病には克てなかった。
永い年月の療養生活から
ようやく解放され
大股で彼岸へ駈けて行った。
天然の舞茸が届いた。
今晩はセシウムを補助出汁として
舞茸のお吸い物でもつくろうか。
それにしても汚染水漏れはどうしたものだろうか。
確たる解決策がないままに堂々巡り。
秋さやか水面を跳ねる陽のかけら