ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

宿題の夏

2009-07-24 12:59:52 | 日記・エッセイ・コラム

夏休みの宿題になっているらしく
地元の中学生たちが連日、当館にやって来る。
そっと館内の様子をうかがうと
各自、真面目にメモをとっている。

この子たちが「幽玄の画家和気史郎」を
どのように感じるか興味あるところだが
こちらから口を出すことは遠慮している。

帰りがけにはきちんと挨拶をして、皆かわいい。
この子らがキレたり暴れたりすることが
なんとも不思議でならない。

昨年につづき本年もまた
県芸術祭文芸賞の選考に関わることになった。

初めて自分の作品が人に認められ
活字となって新聞や機関紙に載ったときの歓びは
忘れられない。
その喜びがあったからこそ
今も飽きずに詩を書き続けている詩人も少なくない。

それを思うと簡単には選外にできない。
応募作品の総てを入選させてやりたいと思う。
総ての人にチャンスを与えてやりたいと思う。

ちなみに応募者の年齢は10代から70代まで幅広く
初々しい恋の懊悩から達観とも思えるような
爽快な作品まであって
それぞれ楽しく読ませてもらった。

     
少年にヒゲあり夏の甲子園


友と書と夏まつり

2009-07-17 16:00:27 | 日記・エッセイ・コラム

天王祭がやってきた。
人々は親愛を込めて「おてんのさん」と呼ぶ。

本日の夕刻
村の守り神であるホウキネ神社から
里のお仮屋に神が降りて来て豊穣と平安を見守る。
子どもたちのお囃子も力づよくしっかりしてきた。
おととい梅雨が明けていよいよ夏本番である。

読書家の友人から一冊の小説が送られてきた。
最近映画化されて
とても感動したからと・・・・・・。
あとで感想を聴きたいとも言う。
あらためてその感動を共感したいのかもしれない。
あるいはぼくの感性をためそうとしているのかも・・・・・。

その友人からの啓示はいつも深いものがあって
つい動かされてしまう。

著者はB・シュリンクというドイツの法学者。
憲法裁判所判事の職業柄もあってか
執拗と思われるほど論理的な表現方法で書かれている。
しばらく読書から離れていたので
がんばって最後まで読み通さなければいけない。

歴史的大変革にむけて崩壊の音が迫っている。
経済至上主義から
人間が人間らしく生きていくために
人間に人間としてのこころを取りもどそうと。
 偽装、欺瞞、格差のない社会
道徳心、公徳心を重んじ
共生の精神による美しい日本の復活、
つまり平成のルネッサンスを。

     
夏野菜あれこれ笊に耀けり


想い出づくり

2009-07-06 15:39:31 | 日記・エッセイ・コラム

お囃子の練習がはじまった。
二週間後の天王祭に向けて
夕方になると近くの子どもたちが集まってくる。

子どもは覚えが早く
たどたどしい響きも十日ほどの練習で
心地よいリズムに変わってくる。
そのころには梅雨も明ける。

夏祭りは子どもたちを中心にやるのがいい。
ふるさとの想い出は
ふるさとを愛する心を育ててくれて
やがては母国を愛する心に深まっていく。

大人たちは子どもたちの思い出づくりのために
いろいろ環境を整えてやることが大切。
子どもたちだけで環境を作ることはできない。
それは大人たちの役割である。

大人が祭りに興じられるのは
かつて少年の思い出があるからである。
自分にも子ども時代があったことを忘れてはいけない。

祭りの夜は浴衣の子どもたちに
ふっと、大人の匂いを感じることがある。

お囃子の笛や太鼓の響きは
人間の奥にある原始の血に連動して
大人も子どもも純粋に浮かれてくる。

    
国道を越えねば逢へず恋蛙


童謡の日

2009-07-01 18:13:58 | 日記・エッセイ・コラム

平成21年も早いもので折り返し点を廻った。
前半は持病の腰痛悪化でさんざんであったが
中にはうれしいこともある。

第17回日本歌曲コンクールに拙詩が入賞し
2名の作曲家に取り上げられた。
9月には東京文化会館にて本選のコンクールが行なわれるが
自分の詩がどのような曲になって
どのような方に歌われるのか今から愉しみである。

ところで今日は童謡の日。
大正7年7月1日童謡雑誌『赤い鳥』が創刊されたことにちなんで
制定された。

時代とともに新しい言葉が生まれ
たくさんの日本語に囲まれ暮らしているが
本来の美しい言葉が日常から消えていくのは寂しい。

宝石のように美しい言葉がちりばめられている童謡-------
もっとたくさんの子どもたちに歌ってほしいと思う。
やわらかで無垢な感性のときこそ
美しい言葉に触れてほしいと思う。

 粗雑な言葉は粗雑な人間を育ててしまう。

世界一美しい言葉、日本語。
大切に守っていきたいものです。

     
目をまはしゐるは君とも赤とんぼ