遠藤周作の「笑って死にたい」を読む。
軽い読み物だが内容はふかく
流石は狐狸庵先生のこと。
二、三十年前なら決して読まないが
この歳になるとついこのようなタイトルには
心動かされてしまう。
老いた姫たちと
補聴器が無いと会話が通じない女房と
坐骨神経痛のわたし。
互いに其々いたわりあって暮らしている。
そんな日常にボジョレーヌーボーが届けられる。
風呂から出てさっそく戴く。
ヌーボー・・・・葡萄の真新しい薫りがして
下戸の私にも分かりやすい舌触り。
姫たちは足元にまどろみ
冷たい星明かりが軒先を蒼く濡らしている。
あとひと月でクリスマス。
そして今年も終わる。
お入りよ 声やはらかし冬桜