ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ボジョレーヌーボー

2013-11-24 13:14:37 | 日記・エッセイ・コラム

遠藤周作の「笑って死にたい」を読む。

軽い読み物だが内容はふかく
流石は狐狸庵先生のこと。

二、三十年前なら決して読まないが
この歳になるとついこのようなタイトルには
心動かされてしまう。

老いた姫たちと
補聴器が無いと会話が通じない女房と
坐骨神経痛のわたし。
互いに其々いたわりあって暮らしている。

そんな日常にボジョレーヌーボーが届けられる。

風呂から出てさっそく戴く。
ヌーボー・・・・葡萄の真新しい薫りがして
下戸の私にも分かりやすい舌触り。

姫たちは足元にまどろみ
冷たい星明かりが軒先を蒼く濡らしている。

あとひと月でクリスマス。
そして今年も終わる。

 お入りよ 声やはらかし冬桜


まったりと

2013-11-22 14:01:10 | 日記・エッセイ・コラム

落葉に地面が隠れるほど。

落ち切るまで放っておけと
部屋の中から声掛けても女房は
白息を吐きながら箒の手を休めない。

落葉の積もった庭も趣があるのに
潔癖症には
吹きまくる落葉は我慢ならないらしい。

姫シロタンがまたまた膀胱炎。
隣町の獣医に診せる。

姫はその獣医が好きらしく
診察台に上るとすっかりおとなしくなる。
その前の獣医には おしっこを漏らすほど
ぶるぶる怯えていたが。
飼主の眼の届かないところで何かされたか。

18歳(人間なら80歳は越えている)にもなるので
男を見る目も確かなのだろう。

里芋を貰ったのでクリームシチュウを作る。
殊に旨い里芋で
きめ細やかにまったりと
舌にからまり
あたかも中年女性の肌のように。

 大鉢にレタスクレソン柿サラダ


大文字

2013-11-19 21:56:01 | 日記・エッセイ・コラム

戯れ詩を一つご笑覧下さい。

           大文字

     闇の中をひたすら

     町の灯が消えては現はれ

     のろい・・・・・・
     「のぞみ」がこんなに鈍いなんて

     びしっと
     車体がきしみ
     米原を過ぎたところ

       うちも あつぅ
       はやぅ  きて

     でんわの向う
     ぉ山が燃えてゐる


トップ交代

2013-11-15 13:50:49 | 日記・エッセイ・コラム

ずっと気になっていた「NINJA」という
フードプロセッサーを買った。
サービスにもう一台付いてくる。
早速キーマカレーを作る。
たしかに便利だが同じものが二台はいらない。

ボス猫ボアが来なくなってから
ゴンベエ(左前足がない)が№2にのし上がり
姿も動作も堂々としてきた。

マダニに喰いつかれたものの何匹かは
捕まえて薬を飲ませることが出来たが
ボアたちのグループは捕まらなかった。

おそらくそのままマダニにやられてしまったのだろう。
やってくるノラの数が減った。

「トップの顔は企業の顔」
不祥事や業績に伸び悩んでいる会社は
トップを代えることが一番。
小手先の改革では効果ない。
会社に限らず総ての組織・団体に言えること。

ボアが退いて庭の猫たちの表情が穏やかになった。

  落葉焚く竟の香りを放ちけり


災難は

2013-11-13 16:55:22 | 日記・エッセイ・コラム

春・夏・夏・冬・・・・
日本の四季がいつの間にか三季に
なってしまったようだ。

読書の秋、食の秋、瞑想の秋、
失恋の秋も来ぬまま突然冬に入る。

庭の木々の葉が赤く染まる猶予もなく
急ぎちりちりに枯れ落ちていく。

風速80メートル・・・・
この世のものとは思えぬ台風30号が
フィリピンのレイテ島を襲った。

レイテといえば太平洋戦争激戦の地。
こどもを抱え途方に暮れる母親の映像が
当時の写真と重なる。

災難に遭う地域は繰りかえし災難に遭うのは
どういうことだろうか。
試練だというが
そんな残酷なことを
ほんとうに神様はなさるだろうか。

 冬桜ひとは俯き急ぎ行く