ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

晩夏には黄色い花が似合う

2013-08-30 15:09:38 | 日記・エッセイ・コラム

いとま乞いのツクツクホーシが
なつめの梢でいのちを削っている。

あちこちから南瓜が届けられ
とうもろこしを二本立てつづけに食べて
夏の終わりが真近に迫っている。

マダニ対策用のスプレーを用意したが
最も重症のミミが捕まらない。
おとなしくしてくれれば治るものを・・・・

左前足のないゴンベエが
もう二週間経つというのに姿を見せない。
おとなしい性格なので
何処でどうしているのか心配だ。

さわさわと 
キバナコスモスの群が
秋風を生みだしている。
ーー晩夏には黄色い花が似合う。

夜、ベッドに就くと
内耳の奥で幽かにミンミンゼミが鳴く。
幻聴という奴だろうか・・・・
どうせなら懐かしいひとの声でも聞かせておくれよ。

  オスプレイ辱暑の空を掻き回す


初心

2013-08-21 16:12:34 | 日記・エッセイ・コラム

一年365日の速いこと速いこと。

今年もまた
県芸術祭文芸賞の審査選考会がめぐってきた。
つい数ヶ月前のように思えても
もう一年が経つ。

事前に手元に届けられている56編の詩作品を
しっかり読みこんでから
本日の選考会に出席する。

会場は宇都宮市内のニューみくら。

20年前
私がはじめて応募した作品が
準文芸賞に選ばれ
それがきっかけで今こうして詩作がつづいている。

あの時の感動がなかったら
詩はやっていなかったかもしれない。

そのことを考えると
預かった原稿を些かもおろそかには出来ない。
一人でも多く
若い人の作品が
他の審査員にも取り上げられることを願っている。

受賞の感動と
詩作への情熱を抱いた新たな詩人が
生れ育ってくれたら
審査に携わった者として嬉しいかぎりだ。

 白地着てかかる貧乏ゆすりとは


小さい秋みつけたぁ

2013-08-19 11:52:35 | 日記・エッセイ・コラム

まだまだ厳しい残暑の裏側で
虫が鳴きはじめた。

庭の隅の草むらの奥 
遠慮がちに密やかに。
耳を澄ませていっぷくの涼を味わう。

季節は明らかにめぐっている
・・・・・小さい秋小さい秋みつけたぁ。

この夏はマダニの大発生で
外猫たちが被害に遭っている。

捕まえられるものは薬を飲ませるのだが 
どうしても近づかないノラには
手の打ちようがない。

赤く腫れあがったところを
ボリボリ掻き毟るので 
すっかり毛が抜けてしまい憐れな姿だ。

青唐辛子を沢山貰ったので 
刻んで鰹節と煮る。
味付けは牡蠣醤油と日本酒と味醂。
煮過ぎないことが肝心。
炊きたての白米にちらして戴くと
これがまあ最高に美味い!

食欲のないこの時期にぴったりである。

  詩の欠片降らせ給ふや天の川


何が残ったか

2013-08-08 23:07:22 | 日記・エッセイ・コラム

7日TBSにて終戦特別企画ドラマ「生きろ」を観た。

主演は緒形直人。
親友の息子が出演していることもあって
2時間テレビに釘付けであった。

物語は沖縄戦の二か月前
職場放棄して沖縄を脱出してしまった県知事の
後任として
島田叡という男が新しく県知事に任命された。

悪化する戦況のもとで
食料や避難民受け入れのため
陸軍と烈しく交渉する。

玉砕主義の中
生きることの価値を唱え
命懸けで沖縄県民と共に生きた男の
ドキュメンタリードラマ。

親友の息子の役柄は県庁職員で
最後まで島田知事と行動を共にする。

画面に出るたび
 「ほれ!出た」 と 妻と手をたたく。

こうした戦争ものを観るにつけ思うことは
いつも一つ。
「これほどの犠牲を払って一体何が残ったというのか」

 つくつくほーし鳴くや長崎平和の日


壊れる

2013-08-01 16:02:34 | 日記・エッセイ・コラム

日本列島は猛暑と豪雨に見舞われて 
ほんとうに荒々しい夏である。
 「こんなのはじめてだ」
誰もかれもが口を歪め呆然とする。
温暖化による地球的規模の異常気象・・・・

アブラゼミの前にミンミンゼミが鳴いた。
・・・・・順番が違う。
2年前から地上を覆う毒害の所為だろうか。
通常は
ハルゼミ・ヒグラシ・アブラ・ミンミン・ツクツクホーシ
という順番で一夏の季節はめぐり
ミンミンが鳴くのは8月中ごろ既に晩夏である。

蝉の鳴く順番が狂う程度で済めばよいが 
生きものの生態系が壊れ
その頂点に居る人間の中枢神経に致命的な
害を為すことはないだろうか。

絶対安心とは言い切れまい。
責任をとる者の不在をいいことに
更に原発推進を唱える人の傲慢で傍若無人なこと。

    
蝉の穴おーいと誰か呼ぶやうな