ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

明日はわが身

2011-03-30 14:07:31 | 日記・エッセイ・コラム

若く健康な人はボランテアとして
それができない人は援助物資や義援金という形で
日本各地から 世界各国から
被災地にぞくぞくと向けられている善意の嵐。
胸があつくなる。

わたしも僅かながら
貧者の一灯をおくらせていただいた。
ユニセフとロータリー以外
そうした行為にはほとんど関わらずにいたが
このたびは何もせずに傍観していることができない。
じぶんのできることを・・・・・・・・・・

もしも震源がもう少し南へずれていたら
もしも震度があと1度大きなものだったら
災難はわが身にもふりかかっていたかもしれない。

 明日はわが身

震度5強に襲われながら
これで終わりかと 脳裏をよぎったことも・・・・

風評被害
棚から野菜たちが消えて
農産物直売所がいよいよ寂しくなってきた。
小ぶりのカブが一把売れ残っていたので
浅漬けをつくる。

        春寒し病の猫を抱きゐて


無計画停電

2011-03-29 14:34:48 | 日記・エッセイ・コラム

計画停電・・・・・
今後も長期にわたりつづいていくだろうと思う。

一般家庭にとっては
それなりの準備をしておけば対応可能だが
産業を中心に日本経済は明らかに減速するだろう。
一割二割の減少で済めば良いが原発の復旧に併せて
長期化するほどその影響は計り知れない。
結果として直接庶民の暮らしぶりにはねかえってくる。

実施したり中止したり
行き当たりばったりの計画停電は社会を混乱させるだけである。
あらためて対策を見直すべき。

これ以上の供給が望めないのだから
需要を抑えることは当然のこと。
しかし経済に大きな犠牲を伴うようなこの停電のやり方と
国民の自主的節電を期待するだけで電力不足は解決しない。
もっと具体的に使用を抑制することが必要である。

たとえば、
夜11時からは一切のネオンや看板の明かりを消す。
日中の1時間テレビ放送を止める。
テレビの深夜放送を止める。
コンビニなどの深夜営業を止める・・・などなど
違反したらペナルテーを課す。

国家の危機を乗り切るためには強制もやむを得ない。

原発復旧の一進一退に
日本中誰もがかたずをのんで見守っているが
いつか終息が見えた時には
不満が一気に爆発して
東京電力と政府に烈しいバッシングがあびせられるだろう。


     想ひでの汐の香りや牡蠣を焼く


出ておいで

2011-03-28 11:59:37 | 日記・エッセイ・コラム

外猫用のダンボール箱の寝床に
一昨日の晩
トラバサミに後ろ足をはさまれた野良猫が
潜り込んでいた。
小型のトラバサミで、鎖を引きずったまま逃げてきたらしい。

よくよく痛いのだろう、怖いのだろう。
近づくと威嚇してくる。
一瞬 こちらがひるんだ隙に箱から飛び出し
隣りの屋敷に逃げて行ってしまった。
以来 今日になっても姿を見せない。

鉄製の鎖を引きずる音が耳の底に残ってしまった。

人間に悪さするほどの
沢山の野良猫や野良犬がいるわけでもないのに
いったい誰が何のために
このような残酷な罠を仕掛けるのか・・・・

獣医の話では
向かいの杉山には幾つか仕掛けられているという。

    被災地へ送り届けむ木の芽風


針坊主

2011-03-27 11:49:04 | 日記・エッセイ・コラム

3か月ぶりに髪を切ってもらう。

知人の美容室はこのたびの地震で
階段や壁・天井に亀裂がはしり
「頭上注意」の張り紙のもとで営業していた。

さっさと掃かれゆく自分の一部に 
この頃はいとおしささえ覚え
主人の話によると
昔はこの掃き集めた髪を貰いにくる商売人がいて
針坊主に使ったという。
適度の脂に針が錆びないそうだ。

そうか!
婆っちゃんが縫いものをしながら
ときどき針で頭を突いていたのは痒いからではなく
あれは滑りをよくするためだったのか。
--------60年も経ってからようやく知ることも。

帰りはお気に入りの店でラーメンをたべる。
やっぱり旨い! いつ食べても裏切られない味。
尤も 味覚というものは百人百様
自分が旨いと感じたものが一番旨いのであって
他人の言葉に惑わされてはいけない。

大地震以来、ずっと連絡できなかった
いわき市の斎藤氏から電話がきた。
しばらく避難していたが、ご夫妻も家も無事だった!

    無事でこそ繋がるでんわ春疾風


水を飲むときは

2011-03-26 00:16:14 | 日記・エッセイ・コラム

11日の大地震以来
すっかり姿を消していた屋敷猫たちが
昨日からまた庭に戻ってきた。

人間よりも地べたに近くいるので
よほど怖かったにちがいない。
家の中の姫たちでさえ、今も余震がくると
身をこわばらせて逃げる用意。

久しぶりに鴨南蛮を食べにでかける。
帰りはすこし遠回りして農産物直売所に寄るが
会う人ごとに原発事故のはなし。

青菜類ばかりがたくさん売れ残り
やっぱりだれも汚染が心配。

菜の花を一把買い
蕾のところはコップに挿し
あとは茹でて御浸しでたべる。

世界一贅沢な日本、
若者に欲しいものを訊ねると
「べつにィ・・・・」 という言葉が返ってくる。

蛇口をひねれば溢れるばかりの水がでて
スイッチを入れれば部屋中に明かりがともり
そこには何ら疑問もなく、あたりまえの日常。

「水を飲むときは井戸を掘った人のことを思え」
中国の古くからの教え。
大災害を教訓に、今まさに私たちはこれらの教えに
心を傾けるときではないだろうか・・・・


     降りかけて務め忘れし春の雨