ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ポエム

2006-07-31 10:34:59 | 

          かば

      暗い水の底を

      音もなく

      悠々と

      泳ぐ

      大きないのち

      闘いに

      疲れた馬が

      その重力から

      解放されて

      なつかしの

      太古へ

      還っていく


ウナギ

2006-07-31 00:36:32 | 日記・エッセイ・コラム

いよいよ梅雨が明けました。暑中お見舞い申し上げます。これから暫らくは鰻にとっても受難の日々。ところが土用丑の日には、せめて供養にと営業を休む鰻屋があるそうです。老舗たる礼節に頭が下がる思い。蒲焼は大好きだが生きている鰻を見るのは嫌いだ。新鮮が売り物とばかり捌いているところを客に見せる店もあるが・・・・・。家族連れの客の前で見せるマグロの解体ショ-と同じグロテスク。懐石のように調理の様子を見せない奥ゆかしさも見習って欲しいと思う。尤もこの頃は懐石と称して活造りを出す店もあって、日本人の「食」はどんどん乱れてきている。                                ところで最初に粉山椒をかけて鰻を食べた人は誰だろうか・・・・・。


ポエム

2006-07-30 00:18:20 | 

  

         サルビヤ

     サルビヤの花が

     ずっとつづく

     ゆるいカーブの県道

     草いきれと

     焦げたゴムのにおい

     白い線の中に

     ちいさなサンダル

     プールからの

     帰りだった

     巻尺が

     伸びちぢみする

     かたわら

     車高を低くした車が

     二台

     爆発音をさせ

     通り過ぎる

     空が

     突きぬけてあおく

     サルビヤの花が

     ずっとつづく

     ゆるいカーブの県道


マンゴープリン

2006-07-29 21:32:16 | 日記・エッセイ・コラム

同人誌「馴鹿」の合評会。会場はU市外れにある喫茶店『ゆーらん』。出席は5名。カレーライスとサラダを頂きながらの自由なお喋り。ビールも出るので、飲むほどに舌が滑らかになる。詩とはそもそも自分自身、人に言われてどうこうなるものではないが、それでも一つか二つのヒントを得る事がある。カレーのあとのマンゴープリンが美味しかった。


ポエム

2006-07-29 21:11:07 | 

          かなたに・・ある

     眠れない夜の

     内耳のずっと奥

     海鳴りがする

     医者は老人性なんとかと

     愚かなことを言うが

     あれは確かに

     波の音

     南半球とけい座の方向

     まばゆくかがやく

     金の粒NGC1512

     なんと! 三千万光年のかなた

     ひとは何故

     そんなどうでもいい遥かのひかりに

     憧れるのだろうか

     漂白の塵であったときの約束が 

     ある日 青い惑星でめざめる

     記憶はすべて消されたはずなのに

     どうしたことか

     海馬の奥のずっと深いところの

     原形質で

     幽かな海鳴りがして

     こうして空を仰いだりしてしまう

     村の丘に寝ころんで

     星の囁くのを聞いたことがある

     七つの星の間を

     橇がわたるのを見たことがある

     還りたいのだ

     原形質が沸き立って

     かがやきの渦の中へ

     還りたいのだ

     あの沈黙の

     遠い遠いかなたに

     きっと

     ・     ・・・ある

     と