このごろ
アラブ中東などイスラム圏の音楽に魅せられている。
乾燥した赤い大地に孔雀のように佇むモスク。
全身を薄いブルカで覆われた女性たちの
振舞いは柔らかく
薫風のように馥郁とひるがえり
幻惑的なクミン・キャラウエイ・フェンネル・カルダモンの
植物性スパイスが街中に漂い
宗教性・精神性を深くしている。
リュートや琵琶の原型であるウード
ヴァイオリンの源流のケマンチェ
そこにナーイという葦笛が加わって
オリエンタルな旋律を醸し出している。
深夜 聴きながら眠りに就くと
いつの間にかぼくは
モロッコの妖しげな酒場で半裸の女性を抱いている。
滑らかな褐色のその肌からは
香辛料アニスの甘い香りが・・・
甘露とも樹肌を垂るる春の雨