ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

枇杷の種

2012-10-29 23:01:04 | 日記・エッセイ・コラム

モジリアーニの描き忘れた瞳がふたつ
てのひらに。
黒い枇杷の種。
なにひとつ瑕疵のない完璧の種。
あっさりとは捨てがたい。

全裸で寝ころび
モンパルナスのアトリエから
灰色の眼が視つめていたものは・・・・・。
愛の儚さか 
それとも生の虚無か。
二日後、
自宅の窓から飛び降りて後を追った女。

酒と薬物に溺れながらも
純粋であろうとしたモジリアーニとその女。

大地にもどし毎日水をやったら
裸婦が芽生えてくるだろうか。

もうしばらくは
てのひらの中で楽しんでいよう。


ぼうじぼ当たれ

2012-10-27 20:24:54 | 日記・エッセイ・コラム

今宵は十三夜。
すでに麗しく中天に輝いている。
あのような美しい星に
人類が降り立ったとは信じがたいこと。

ぼうじぼを打つこどもたちの声が
遠くから響いてくる。
10人ほどの集団。
外灯に頬を赤く染めて
 ♪ぼうじぼあたれ三角畑にソバあたれ・・・♪
わら筒で家々の軒先を打ち歩く。

いちばんうしろの暗がりでは
ひとしきり小さな子が
皆に遅れて打ち鳴らす。

やわらかに月が微笑んでいる。

壷に活けた芒の葉を姫たちが食べてしまう。
ネコクサに似ているのだろうか。
食べては代わる代わる毛玉を吐きだす。

 犬連れて芒を採りに十三夜

 *ぼうじぼ(穂打棒):栃木県北部に伝わる豊作祈願の子供行事

 


勧められて

2012-10-25 12:39:08 | 日記・エッセイ・コラム

どこか出かけてみるのもいいよ と 
ひとに勧められ 
ストレス解消・気分転換に
中国料理店の日光翆園に行く。

だが 
駐車場も店内も満席でしばらく待たされる状態。
わたしは待つのが苦手、
他の店で食べることにした。

紅葉の季節。
原発風評被害以来、久しぶりの盛況。
ランチどきもあってか人があふれ、
町なかには美味しい匂いが満ちていた。
この賑わいはわたしもうれしい。
(但し外国人の姿は今も少ないが)

海老屋の湯葉と
湯澤屋の酒まんじゅうを買い、
今市に戻り たまり漬けを買う。

「宴の後の寂しさよ」・・・コンサート以来、
なにやらメランコリーになっていたが 
ひとの勧めを素直に聞いて
ようやく元気になった。

 神橋の朱塗りへ紅葉貼りつきぬ


酔いしれて

2012-10-22 11:40:35 | 日記・エッセイ・コラム

ケーナのコンサートが終わった。

Ⅰ部2部あわせて200名近い聴衆が
フォルクローレの軽やかな響きに酔いしれた。
ことにRenさんのフアンの多いことには
あらためて驚かされた。
いわゆる(追っかけ)。

でもこの追っかけなら大いに同感できる。

かつて遥か遠い昔、
マヤ帝国と日本が交流していた形跡がある。
カスリ模様をはじめ幾つか遺跡の中から、
それらを裏付ける出土品が発掘されている。
顔も体型も南米の人たちと我々はよく似ている。

おそらくそうした古代の記憶が
DNAの中に刻み込まれているので、
フォルクローレの響きに理屈抜きで感応し、
魂が共振するのだろう。
----------遥かな郷愁に。

今朝もフアンの人たちが
最後の後片付けをやってくれた。
その間、
私はRenさんのCDを流し
しばらくは余韻を楽しんでいよう。

演奏家のみなさん、
フアンのみなさん、観客のみなさん、
   ありがとう!

  帰るひとや後ろ姿のそぞろ寒


フアンの力

2012-10-20 23:23:37 | 日記・エッセイ・コラム

午後4時 
ケーナ演奏家Renさんのフアンが集まり
会場つくり。

3時間で
幽玄の美術館はコンサート会場に模様替え。

ケーナとチャランゴとギターによる
フォルクローレ。
明日を楽しみにとそれぞれ帰って行った。

なにしろRenさんには
中年の「追っかけ」が沢山いるというから 
ハッピーなことである。

明日はⅠ部・2部の2回演奏する。
フアンが多くてⅠ部だけでは入りきれない。

演奏家たちは
今夜は近くのフアンの家に泊まるらしい。