ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

とある講習会

2013-05-24 23:42:40 | 日記・エッセイ・コラム

高齢者交通安全講習というのを受講した。

70歳からの免許更新には
本人の意思に関わりなく受講が
義務付けられている。

3時間のうち半分は
教官のおそろしく退屈な話を聞かされる。

高速道路を逆走したり、
赤信号を突き抜けたり、
アクセルとブレーキを踏み間違えたり、
とかく高齢者は運動神経と感覚に衰えがあり
危険な人種らしい。

そのような人種に
自分が含まれているとみられることには
なんとも不本意なものがあるが、
益々、高齢化が進む現実社会の中では
やむを得ない制度なのだろう。

交通手段の豊富な都会なら
免許証の返上もあるが、
田舎の生活で車を取られてしまったら
たいへんに不便なことである。

周囲には90歳で運転している人もいるからすごい!
もっとも三浦雄一郎氏は
80歳でエベレスト登頂に成功したというから
今どきの年寄りは決しておとなしくはない。

新玉ねぎを貰ったので
鶏の手羽元と一緒に煮る。
味付けは醤油・砂糖をベースの甘辛煮。

 川蝉のさみしきときは笑ふがいい


千里を駈ける言葉

2013-05-16 17:01:16 | 日記・エッセイ・コラム

政治家に必要なものは
「体力」と「忍耐力」と「言葉」である。

とりわけ「言葉」は重要で
言葉によって大衆を味方に取り込んだり 
あるいはその反対に敵を生みだしたりする。

心ない言葉でひとを殺したり殺されたりもする。

記憶の中にも
随分多くの政治家が更迭されたり
国民から顰蹙を買ったりして
政治家としての命取りになっている。
油断だろうか? 傲慢さだろうか?

ああ、またか! ああ、またまたか!
なんとも懲りない面々よ。

「事実を言ったまでだ」と嘯く政治家もいるが
事実なら何を言っても構わないというのだろうか。
当人は
政治家としての正義を貫いているつもりだろうが
正義のためならどれほどの人が傷つき 
どれほどの国益が損なわれても
構わないと言うのだろうか。
それとも危険な賭けを承知の上で 
自らを売り込むための高等戦術というものだろうか。

いづれにせよ
火のないところに煙は立たずの譬えのように
何もない心から言葉は生れない。

 「おいしくなあーれ、おいしくなあーれ」
柔らかな言葉を掛けながら蕗を煮る。

 朴一花深山幽谷匂い満つ


ちえくらべ

2013-05-13 12:55:53 | 日記・エッセイ・コラム

エサをめぐり鴉と仔猫(ポール)の知恵くらべ。

満開の白つつじの下
芳ばしくにおう魚のアラ。
(この家のおばちゃんが今朝焼いてくれたもの)

鴉はかあさん鴉で子育て中なのだろう。
果敢に
屋根の上から急降下してはポールを威嚇する。

一瞬、ポールは身をかがめ 
鴉の攻撃から尻ごみするが 
すかさず
ほふく前進の体勢でエサの守りにはいる。

鴉と猫と 
同じことを何度か繰り返しているうち
イソップ物語のように 
大きなアラを咥えて悠々と鴉が飛んでいく。

見上げるポールの悔しそうな姿。

そうしてまた先程の鴉がやってくる。
トタン屋根のてっぺんで高らかに
 「アホー! アホー!」

・・・・・白つつじ満開である。


はつ夏に

2013-05-11 17:43:26 | 日記・エッセイ・コラム

フキとタケノコを貰ったので
鶏肉とシメジを加えて炊く。

これがまあ!
美味しく仕上がってまさに初夏の一品・・・・・
今回はどこにもやらず
昼食・夕餉・お茶の時間に味わい楽しんでいる。

放射能含有で
木の芽や野菜に制約があり食べられない。
ことに私の好きなコシアブラが食べられないのは
残念である。
毎年届けてくれる人が今年は姿を見せない。

外猫ネムの首回りが赤く爛れているので
獣医に診せる。
皮膚の一部を切り取り顕微鏡を覗くと
原因はダニであった。

肉眼では見つけられない小さなダニ。
注射をして一週間後に再診。
二三週間つづけるそうだ。

ずっと昔、
私の体に着いたケジラミを
視力2・0の妻は肉眼で見つけ
針の先でひとつひとつ退治してくれた。
人間の目では
絶対見つけられないと言われていたのだが・・・・・

しかし 見え過ぎるのも善し悪し
お陰で美味しそうな据え膳をいくつか逃したことも。

  風薫るむすびきんぴらたまごやき


ねむり姫

2013-05-07 13:16:21 | 日記・エッセイ・コラム

ヒステリックな大型連休が明けて 
ようやく静かな新緑が戻ってきた。

箸を置いて一分も経たないうち妻は
居眠りを始める。
特別どこかが悪い訳でもなく 
あるいは寝不足しているのでもなく 
どこででもよく眠る。

車に乗っても
テレビを見ていても兎に角よく眠る。
相づちがないので顔を覗くと
湯呑茶碗を握ったまま居眠りしている。

寝る子は育つというが
今更育ってもらっても仕方ない。
「慢性不眠症」ひたすら死に向かっている・・・・
と 医者に言われたそうだが
眠れない私には羨ましい限りだ。

このごろはロクサーヌ姫たちもよく眠る。
温かいカーペットの上でのびのびと。
妻の膝の上でまあるく。
18歳なので人間なら相当な歳である。

眠りの浅い私は毎晩夢を見る。
明け方が多い。
いくつも見る。
目が覚めるとほとんどが忘れてしまうが
いつも同じで気になる夢がある。

車をとめておいた駐車場が見つからない。
あちこち通りをいくつも行ったり来たりするのだが
見当たらない。
たしかにこの辺にとめたのに・・・

夜も更けて尋ねようにも人がいない。
ぽつぽつと街の明かりが消えて
駐車場があった辺りの
裏通りは重い暗闇に覆われる。

もはや探すあてのない私は途方に暮れて
映画「第三の男」のように闇に溶かされていく。

つめたい石畳の上
不安な私の影が
古いポスターのように風に吹かれている。

こんなふうに
いつも同じ夢を見るのは
なにやら暗示的なものを感じてしまう。

   外に出れば先ず石楠花に迎えら る