ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

二十歳の君へ

2012-01-31 11:32:56 | 日記・エッセイ・コラム

甥夫婦に初めての子が産まれた。

テーブルに挟んだ年賀状の写真に
食事のたび声かけている。
 (こんにちわ あかちゃん・・・・)

この娘が二十歳を迎えるころ
日本はどうなっているだろうか?
 恋も青春も充分エンジョイできる穏やかな
 環境にあるだろうか?
 人間が人間を信頼し
 失われた絆を取り戻せているだろうか?
 戦争や飢餓は世界地図から消えているだろうか?
 かよわい人たちが幸せに暮らせる
 社会になっているだろうか?
 魚も野菜も安全になっているだろうか?

親指を紗ぶるあどけない表情を見るにつけ
つくづく無事を祈るばかりである。

  白菜漬け貰う薄氷の樽のまま


お茶にしまひょ

2012-01-30 18:53:48 | 日記・エッセイ・コラム

腰痛を病んでから
テレビを見る時間が多くなった。

韓国王宮歴史ドラマが盛んで
国を挙げての映画作りは
宮殿も都も衣装・アクセサリーに至るまで
本物に近く重厚である。

なかでも、私の好みにはなるが
「トンイ」と「朱蒙」が面白い!
タレント集めてわいわい騒ぐだけの
くだらない番組がつづく中で
トンイと朱蒙には
毎回どきどきわくわくしながら癒されている。

今になってお茶の淹れ方にこだわるようになった。
実は淹れ方をちょっと工夫するだけで
安いお茶でも美味しくなることを知った。
その内の一つの方法を教えましょう。
  急須の中の茶葉がひたひたになる程度の
  水を入れて2分間待つ。
  それから熱湯を注ぐ。
  あらふしぎ、熱湯を入れたのに渋くない。
  湯の量は3口で飲み干せるほど。
  急須に湯を残さないこと。
これまでのお茶が見違えるほど美味しくなる。

・・・・・・さあ、お茶にしまひょ。

 茶柱のことは伏せをく風邪心地


寒さの中で思うこと

2012-01-28 11:54:27 | 日記・エッセイ・コラム

寒気団に小さな列島がすっぽり覆われて
昨日も今日もぶるぶる。
坐骨神経痛には手足の末端が凍えてつらい。

天気予報の中でしばしば聞かれる氷点下18度とか
マイナス30度というのは
いったいどれほどのものか想像もつかない。

あの極寒の氷上でタローとジローが
生存していた感動は今も鮮烈に記憶している。
世界中の人々が驚嘆し 二つの命に喝采がおくられた


でもよくよく考えたらこれは奇跡というよりも
神のしわざではないだろうか。
タローとジローを生かしておくことで
人間の身勝手さと残酷な行為に
猛省を促そうとしたのではないだろうか。

もし二匹が他の犬と一緒に死んでいたら
おそらくニュースにもならず
その事実は闇に葬られたことだろう。

あれから後
ペットブームの幕開けとなり
日本人の犬・猫に向ける思いが変わり
「ペットも家族」という考えに移行していった。

しかし一方では
虐待を受けるペットも増えて
人間とは懲りない生きものなのである。

     冬銀河那須には那須の風吹くや


バーチャルな恋

2012-01-27 12:42:17 | 日記・エッセイ・コラム

穏やかなわが町の山林で発見された白骨遺体。
容疑者が逮捕された。
被害者は大阪在住の25歳の女性。
殺すつもりで都内のホテルに呼び出したという。

ああ、またか・・・・
もはや珍しい事件ではなく
似たようなことが日常あちこちで起きている。

出会い系サイトの窓口で見知らぬ人とメール交換。
打ちこむだけの記号はどんなことでも言えて
たちまち恋人気分。
わくわくどきどき
それでは○○で会いましょう と発展。

そうしてバーチャルな恋愛を楽しんだあげくに殺される。

のこのこ出かけていく少女の愚かな好奇心。
親たちよ 無関心すぎないか!
まるで振込みサギと同じ。
世間がこんなに警戒しているというのに・・・・
いまだ後を絶たない。

  バーチャルなものに本気になるな。
  バーチャルなことに心奪われるな。


スパゲッティ考

2012-01-26 10:58:27 | 日記・エッセイ・コラム

学芸員さんの来館日、
スパゲッティ・ミートソースを作ってやる。
大食いなので大盛りに。

学生の頃
スパゲッティといえば東京でも
ナポリタンとミートソースぐらいなもので
現在のようにポモドーレもボンゴレもカルボナーラも
洒落たメニューは無かった。

その頃 同じクラスに
二歳年上のスマートな男がいて
彼に誘われて初めてのライブショウ
「マルセル・アモン」を聴いた。
たしか厚生年金ホールだったように記憶している。

その帰りに新宿のどこかでナポリタンを
ご馳走になったのだが
スタンダールのジュリアン・ソレルのような
あるいは大正浪漫チシズムを彷彿させる彼に
シャンソンもナポリタンも上の空であった。

野菜をいっさい食べない彼が
ナポリタンの中の小さな野菜を一つ一つ
フォークで除いて食べる様子を僕はうっとりと
見惚れていた。
夢見るような美しい瞳に見つめられるだけで
ぼくはしあわせであった。

しかし危ないな。
ナポリタンは青春時代の危ない関係を連想し
今でも魅惑的な一品である。

  冬晴れの空を駈けゆく消防車