ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ねしょべん小僧

2016-11-19 16:27:04 | 日記・エッセイ・コラム
夜は二時間ごとにトイレに立つ。
加齢による頻尿だという。
よっていつも眠りが浅く
微かな風の音にも
遠くのパトカーの音にも目が覚めてしまう。

昔むかし小学二年生の夏休み。
クラスメート四人が先生の家にお泊まりにいく。
花火大会にポッポ汽車で隣町まで。

夜尿症の僕を心配して母はフミ先生にくれぐれも頼んだ。

 ねしょべん小僧はどなたでござる 恥ずかしながら わたしでござる。

八月だというのにさらしをぐるぐる巻きにされ 
僕だけ先生と一緒に寝かされた。
----------やったあ!

教師になりたての二十四・五歳のほやほやのフミ先生。
湯上りの浴衣から湧いてくる石鹸のさわやかな匂い。
ぷちぷちとタラコのような唇から漏れてくる切なくも麗しい寝息に
一晩中眠れない僕は 見事!ねしょうべんをクリアーしたのであった。

次の日 朝食の卵焼きにはしゃぐ友達が
急にガキっぽく見えたのは
成熟した女性の体臭の所為かも。

もし今夜フミ先生のようなひとと同衾できたら 
頻尿はいっきに解決できるだろうになあ。


      植え替えの老職人の息白し

わが家のかぐや姫

2016-11-14 12:20:27 | 日記・エッセイ・コラム
ちいが めきめき可愛さを増している。

しかもとても頭が良い。
殊にシャム系は賢いのが多いが
千匹に一匹の割合でこのように知恵のある猫が生まれるそうだ。

二匹の愛猫につぎつぎ逝かれ
その後ガンの手術などで空虚な一年であったが 
ある日突然、
母猫がくわえて置いていった子猫。
まるで竹取物語の
かぐや姫のようにすくすく育っている。
お陰で朝の目覚めが楽しみ。
毎朝ドアの前で待っていてくれるので。

猫と人間の関わりには説明しがたい不思議な世界がある。
猫と一緒に暮らした経験のない人には
なかなか理解しにくいだろうが。
出会いから関わり合いまで
なにやら必然的なものを感じてしまうほど
猫は秘密めいて魅惑的だ。

      摘みくれしひとの薫りや菊膾

予測

2016-11-10 21:55:25 | 日記・エッセイ・コラム
豊かであるほど人間は鈍感になる。
インスピレーションとイマジネーションが衰退し
理解できないことは想定外として自他を納得させてしまおうとする。

ドナルド・ダッグのような顔をした男が
大方の予想をくつがえして第45代アメリカ合衆国大統領に選ばれた。
泡沫候補が最終ラウンドで大逆転。

支持者らの熱狂的なUSAコールが世界を揺るがす。

この現実に直面し
日本の政界の多くが想定外として対応に苦慮している。
まことに危機感の無さ想像力の欠如ではないだろうか。

”もしかして ”という予感や予測や懐疑心を抱いていたなら
慌てなくとも
事前に手を打っておくこともできるものを---

-----鈍感とは常に現実から遅れをとるものだ。

食べるとは生きること

2016-11-02 18:58:36 | 日記・エッセイ・コラム
「この一匙のスープさえ呑み込んでくれたら、この子は助かるのに----」

飢餓地帯のよく観る光景である。
飢えが限界を超えると体も心も食べ物を拒否するという。

テレビを観ていて息苦しくなってくる。

一方では大食い競争とかの劣悪な番組がもてはやされ、
同じ人間、この差は一体何なのだ。

ついこの間のことであるが、
入院中
 自力で立ち上がれなくなった。
ベッドから起き上がるにも看護師の手を借りるしまつ。

手術の前後十日ほど点滴だけで口からは何も摂らない。
全身の力が抜けて立ち上がれなくなってしまったのだ。

  生きるとは食べること。食べるとは生きること。



今朝の冬手を擦りつつ立ち話

冬に入る

2016-11-01 12:20:42 | 日記・エッセイ・コラム
">寒さに未だ慣れていないせいだろうか。
それとも術後に不具合でもあるのだろうか。
このところの寒さには閉口している。

長い時間、キッチンに座ったまま
あれこれ熱いものを啜ったりして暖をとっている。
------その様子は既に完璧な爺さんだな。

投稿詩の締め切りに間に合ってほっとしているところ。

インスピレーションとイマジネーションから生み出される詩。
それにはやはりしっかりした体調と安定した精神力が不可欠

そこで気分転換にと寒い中出かけて
頭を坊主刈りにしてもらう。
ほんとうはつるつるのスキンヘッドが好きなのだが
毎日の手入れが大変なのであきらめる。
無精ひげもすっから剃り落としてもらい
さっぱりする。
だが床屋から戻ると
ちいちゃんに不思議そうな眼で見つめられた。

       
       部屋を這うコードあれこれ冬に入る