ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

焚火のにおい

2014-11-20 12:25:28 | 日記・エッセイ・コラム
この時季、
刈田がひろがる田園地帯を車で走ると
枯草や小枝を焼く焚火に出会う。

野面いちめんにその煙がたなびき、
とても懐かしく豊かな匂いに包まれる。

ダイオキシンや放射能の飛散をおそれて
焚火が抑制されている昨今だからこそ
芳しい煙の匂いには幸福感を覚える。

ビニールやペットボルや新建材の廃材からは
ダイオキシンが発生して人の健康に悪さするが、
枯草や小枝を燃やしたからとて有害ガスが発生することはない。

心配するあまり大事なことを失くしてはいないか。

田畑で燃やせばその灰は再び土に還っていく。
人間も然り。
終わりは灰となって土に還るのがいい。


   寒菊の刈られて香り濃くなりぬ

奇跡

2014-11-08 19:07:26 | 日記・エッセイ・コラム
今、わが家では小さな奇跡が起きている。

-----姫ロクサーヌの復活。

食べものを一切受け付けずに
一週間ほどうずくまったまま。呼吸も弱々しく。

スープをスポイトで口に入れてやっても受け付けない。
人間なら既に百歳を超えているので
このまま衰弱して死んでいくのだろうと覚悟はしていたが。

ところが小さく萎んだ身体を女房が抱き上げ
毎日声を掛けつづけていたら 
なんと!
モンプチの汁をぴちゃぴちゃ舐めはじめた。

大好きな人の腕のぬくもりの中で
もう一度生きようと気力をふりしぼっているのか。

今、一日に数回
その量はわずかだが自分からモンプチを食べるようになった。

おむつをしてもらい
お尻を振りながら
部屋の中を徘徊できるまでに回復した。

強い愛情が死神を遠ざけたのである。

がんばれ! ロクサーヌ。

火恋し

2014-11-05 17:00:16 | 日記・エッセイ・コラム
11月に入ったとたん寒くなった。

アラジンのストーブを抱え
送られてきた詩集などに眼を通す。

姫ロクサーヌもストーブが好き。
足元に割り込んでくる。

「火恋し」という言葉があるが
この時季になると
赤々と燃える炎が無性に恋しく
暖炉やストーブの火にこころ和む。

炎に安ど感を覚えるのは
原始時代の記憶が残っているから。

猫も亦 
人類との暮らしに永く属していたので
他の野生と異なり火が好きなのだ。

殊に枯れた草木を燃やす焚火が好き! 
焚火は背中まで暖かくなるし
なんといってもその匂いがいい。
草木の焦げる匂いには
なにかしら豊かな心もちになってくる。
ダイオキシンを発生させるからと
野外での焚火が制限されているのは寂しいことだ。


     ガラス戸にゆらめく日影冬に入る