ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ふしぎ

2006-08-30 11:06:28 | 日記・エッセイ・コラム

元気印、学芸員さんの来館日。妻がカレーを作っている。いつもなら僕が作るのだが、どうも腰の具合が良くない。何か憑きものでも付いているかのように治りが遅い。昨日もRCの例会を休んだ。腰は肝心要・・・・ここがダメではどうしようもない。

     鵙のことは鵙に聴けとや石仏

     腹立てしことに腹立て虫の夜

     ふしぎとは父の道行く花野かな

     身を焦がし虚空を昇るのうぜん花

     ソナチネの上手の虫へ月差せり


トラウマ

2006-08-28 16:16:38 | 日記・エッセイ・コラム

残暑に喘ぎながら、一度でいいから正体がなくなるほど酔っ払ってみたいと思う事がある。とろんとした眼でけらけら笑う彼らを見てつくづくうらやましいと思う。一口のアルコールで心臓がばふばふしてしまう下戸にとっては叶わぬこと。17歳の七里ガ浜キャンプでの事が、酒を怖がるようになった。生意気にもウイスキーとビールのちゃんぽんを一気飲みして、救急車の世話になった。その時の死ぬほどの苦しさがトラウマになってしまった。

  この愁思たれかに届けEメール  眠りても海馬の奥に蝉啼けり    


スローライフ

2006-08-26 22:18:23 | 日記・エッセイ・コラム

東京から従弟が訪ねてきた。二ヶ月前、大腸癌が見つかり手術した。自分は命拾いをして周囲の人たちに感謝する心を見つけ、総てのものを慈しむ気持ちに目覚めたという。鎧を脱いで、より人間らしさを身につけたようだ。一病息災・・・・これからはゆったりと生きて行きたいと言う。いい表情になってきた。日帰りの予定を引き止めて泊まってもらう。今夜の「刺し身定食」はなかなかの味だった。

     虫の夜やいとこ二人が泣き笑い


新聞

2006-08-25 11:34:36 | 日記・エッセイ・コラム

N賞作家のエッセイを載せた某新聞社に、抗議のメールが殺到しているという。エッセイの内容は「人は他の生き物に対して、避妊手術など行なう権利は無い」というもの。まことに其のとおりである。しかし問題は其の先にある。「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として・・・・・」彼女は生まれた仔猫を崖の上から棄てているという。なんという身勝手な論理。なんというおぞましい神経。                     出筆者については、もはやなにおかいわんや。社会性を尊ぶ新聞としての姿勢の問題である。名のある作家の原稿なら、なんでも載せてしまうのは如何なものだろうか。新聞としての良識と品性が疑われる。

     月すずし隣りの声の透りゐて


惑星

2006-08-24 17:46:46 | 日記・エッセイ・コラム

つづく猛暑のお陰で梨が甘味を増しているらしい。手に持った時のずっしりとしたあの質量感は他の果物にはない。僕は梨を頂いてもすぐには食べない。その質量感と光の粒のようにざらざらした無機質な触覚が堪らなく好きなので、観て、触れてそれから食べる。                      この梨の姿によく似た惑星が太陽系から外されようとしている。冥王星であるが、結局は惑星の体を成していないということだろうか。宇宙の事はまだまだ入口の段階。消したり加えたりいろいろやってみるのもいい。水・金・地・火・木・土・天・海・冥・・・・・常識は変わりやすいもの。僅か数百年前まで地球は平らだと思っていた。それが世界の常識であった。アメリカのグローバル主義はもはや世界の常識ではなくなった。水と安全はタダという常識も通用しなくなった。女性は弱いものなんて常識、誰も本気にしない。だから常識に固執することなく頭を柔らかくしておくことが肝要。

     蜩のここはあの世かうつし世か