ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

秋高し

2011-10-29 11:29:52 | 日記・エッセイ・コラム

うたの文句ではないが
何処か遠くへ行きたくなるような
晩秋の爽やかな日。

福島の温泉に行ってきたと
花豆をみやげに頂いた。

全国から送られてくる沢山の詩集にも
津波と原発事故をテーマにした作品が多く
日本人の忘れっぽい頭の中に
その記憶は深く刻み込まれた。

さらに日が経つにつれ
放射能の不安は増幅し
人間の手で止められないものは造ってはいけないと
つくづく思う。

天高く澄みわたる空。
赤とんぼが群れ飛び
コスモスの花がそよ風にゆれ
このうつくしい空と大地が
目に見えない毒に汚されているとは信じがたいが
まぎれもない事実である。

今後もなお経済至上主義をつづけるつもりなら
原発は必要であろう。
しかしそのイズムが果してこの先も人間にとって
最高の理念と言えるだろうか。

     この空の何処にセシウム柿たわわ


駅弁

2011-10-28 16:47:46 | 日記・エッセイ・コラム

O市のデパートに駅弁を買いに行く。
「全国うまいもの駅弁大会」

列車で旅行にでると真っ先に
駅弁が欲しくなる。
腹が減っているわけではなく
駅弁を列車の窓に置いておくだけで
芯から旅情が湧いてくるというもの。

手に持ったときのあの豊かな重量感。
包みの個性的な写真や絵の期待感。
そしていざ、蓋を開けた瞬間の芳しい匂いと
色彩のバランス。

そういうわけでいつでも
いろいろ賑やかな幕の内風弁当を買ってしまう。
カニ飯とかイカ飯とか具材単品の弁当には
あまり触手が伸びない。

同じ売り場で
長崎の大村寿司が実演販売されていた。
いちど食べてみたいとずっとおもっていた寿司。
錦糸卵の押し寿司が旨い!太巻きもいい!鯖もいい!
どれもみんな美味しい。
大切なひとにも一つ届ける。

     冬桜くぐれば媼迎へゐる


トンイ

2011-10-24 15:58:25 | 日記・エッセイ・コラム

PCとその主の調子が悪く
しばらく休眠していたが
少し調子が戻ってきたのでブログの再開となる。
但し、コメント欄が未だ公開できない状態になっているので
ご迷惑を掛けます。

毎週日曜日のBSプレミアムで
とある逢瀬を楽しみにしている。
その相手というのは、韓国王宮ドラマの主人公トンイである。
ドラマの内容は
貧しい身分から過酷な境遇に合いながらも
強い心で運命を切り開き
やがては朝鮮王朝第19代王 粛宗の側室となり
後の第21代王 英祖の母となった一人の女性のドラマ。

イ・ビョンフン監督の最新作。
トンイ役のハン・ヒョジュ
王様役のチ・ジニ
その他優れた俳優たちの名演技で
毎回、ひやひやどきどきさせられ
すっかり虜になってしまった。

ここだけの話で
人には聞かせられないが
前々回のトンイと王様の再会には
王様の切なさが胸にしみて
涙など流してしまった。

韓流ドラマが目白押しで
なかなか面白いものもあるが
この「トンイ」は別格である。

     野仏の褥濡るるや草紅葉


花の精

2011-10-12 15:19:56 | 日記・エッセイ・コラム

庭の金木犀がまだ咲いている。
屋敷内に清らかな芳香をただよわせて・・・・。

根元にはハチとクロが眠っている。
ハチは成犬になって捨てられた哀れな犬。
ぼくの眼を見ながらも視線はずっと遠くを見ていた。
( ほんとうの飼い主を探していたのだろう )
クロは生まれたばかりで捨てられた猫。
雨にぬれてドブネズミのようだった。
氏より育ち・・・・
かしこい猫に成長し
美術館の客を一号館から二号館へ案内してくれた。

そのハチとクロの魂が
毎年、馥郁と金木犀の花を咲かせてくれる。

ぼくはどんな花に化身するだろうか・・・・
許されるなら泰山木か朴の花になって
高きより清雅な香りを降り注いでいたい。

     名を呼びつつ白雲と行く花野道


山栗

2011-10-10 22:21:47 | 日記・エッセイ・コラム

北からたくさんの山栗と里芋が
西からイカと梨が届けられる。

栗にもいろいろ種類があるがぼくは山栗が好き。
ほろほろと甘く 茹で栗には最適。
イカは刺身で食べるようにと電話があったが
オリーブオイルとバターで軽くソティーし
塩胡椒でたべる。
これもまたイカ独特のクセがなく甘く柔らかい。

さらに昨日の客からも梨を一箱戴き食べきれないので
裏の家におすそ分けとなる。

O市のH食堂の中華が旨いと薦められたので
早速夕飯をたべに車を飛ばす。
運転手付きでラーメン食べになど贅沢の極みだが
滅多にないことなので許していただこう。
小さな店を家族5人で切り盛りしなかなか美味しい。
繁盛している。
繁盛している店は常に食材が新鮮でいい。
それに何よりも厨房が清潔で気持ちがいい。

昨今、食中毒の事故が多く
外食には不安がつきまとう。

清潔であることは安全につながり
安全であることは安心してたべられる。

     軒明かりの下
     母さんと狐が立ちばなし
     鍋の中
     ぽこぽこぽこぽこ栗が踊っている