うたの文句ではないが
何処か遠くへ行きたくなるような
晩秋の爽やかな日。
福島の温泉に行ってきたと
花豆をみやげに頂いた。
全国から送られてくる沢山の詩集にも
津波と原発事故をテーマにした作品が多く
日本人の忘れっぽい頭の中に
その記憶は深く刻み込まれた。
さらに日が経つにつれ
放射能の不安は増幅し
人間の手で止められないものは造ってはいけないと
つくづく思う。
天高く澄みわたる空。
赤とんぼが群れ飛び
コスモスの花がそよ風にゆれ
このうつくしい空と大地が
目に見えない毒に汚されているとは信じがたいが
まぎれもない事実である。
今後もなお経済至上主義をつづけるつもりなら
原発は必要であろう。
しかしそのイズムが果してこの先も人間にとって
最高の理念と言えるだろうか。
この空の何処にセシウム柿たわわ