ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

姫のおかげ

2009-10-27 13:30:44 | 日記・エッセイ・コラム

現在、屋敷内に棲む猫は4匹になってしまった。
ポールとナツメ、ナツメの子のクロとミルク。
向かいの道路で車にひかれたり
いつの間にかいなくなったり
離合集散は猫の社会にも・・・・・
でも4匹とはちょっぴりさみしい。

このところの朝夕の冷え込みがきつく
ヒーターから離れがたく
姫たちと席の取り合いに油断できない。
ちょっとトイレに立ったりすると
忽ちスペシャルシートを乗っ取られてしまう。
ぼくをご主人様とは思っていないようで
ヒーターを独占してはタヌキ寝入りを決め込んでいる。

寝室では蒲団の上を占領し
その重圧で寝返りうてず ぼくはいつだって睡眠不足。

たまには熟睡しなければと、
睡眠剤を飲むのも姫たちの所為で
身体によくないことをさせられているのです。

朝、目覚めれば猫たちの話題で一日が始まり
夜は猫たちの様子で一日が終わる。
ロクサーヌが元気ないとか
午後はシロの好物のナマリ節を買いに行こうとか
夫婦ふたりの暮らしの中で優先事項は常に姫たちのこと
姫たちがいなくなったら夫婦の会話は途絶えてしまう。
だからヒーターを乗っ取られても
一晩中寝返りうてなくても、じっと辛抱です。

以前 一度だけ叱ったことがあったが
その仕返しとして大切にしている『歳時記』に
おしっこをかけられた。
上等の布表紙へたっぷりと。
猫のおしっこの臭いこと、臭いこと!
いくら拭いても乾してもとれない。
歳時記に鼻をゴシゴシ擦りつけて叱ると 
よほど悔しかったとみえて
今度はぼくが寝ている間にジーンズの裾へたっぷり・・・・
参った 参った!

それ以来、決して叱らないようにしている。
結局はこちらが大変な目に遭うだけだから。
ぼくが大事にしているものをちゃんと知っていてそれを狙ってくる。
ことにシロは知能指数が高いので、ホント始末悪い。


     
蔦紅葉古来をとこは化粧ふもの


今こそ、一期一会

2009-10-25 11:23:03 | 日記・エッセイ・コラム

出会いの不思議さを
この頃しみじみと考えさせられるようになって
むかしのひとの顔が走馬灯のように
現われては消え 消えては現われる。

一声掛け合っただけの刹那の出会いもあれば
10年20年あるいは生涯つづく出会いもある。

価値観や生き方の違いによって
途中で断ち切れてしまう縁、
理由もなく疎遠になってそのまま消えていく縁、
ロウソクの炎が燃え尽きるように
自然消滅してしまう縁もあって
人間の力や努力ではどうにもならない。
引き寄せられるような
引き剥がされるような
何か大きな意思にあやつられている気がする。

この茫漠とした宇宙空間で
一粒の塵にもみたない人と人が出会うこと自体、奇跡!

会うも必然、別れるも必然。
失くしてから惜しまれる縁、
失くしてこそ救われる縁、
優しさが涵養される縁、
新たなエネルギーが生み出される縁、
〈 縁は異なもの味なもの 〉
一つ失くして又一つ生まれる出会いの奇跡。
・・・・・・今こそ、一期一会。

    
 ぞわぞわと背を這う予感百舌の朝


スターマイン

2009-10-11 11:35:56 | 日記・エッセイ・コラム

ゆうべは大谷川の土手に坐って寒さに震えながらの花火見物。
 『日光秋の花火大会』
上の方ではすでに紅葉がはじまっている。

わがスペシャルシートは例年よりも更に打ち上げに近く
破裂音の中で自分も破裂してしまいそうな
うっかりしていると髪の毛が焦げてしまいそうな危ない場所。

45分間で一気に打ち上げてしまい
大きな規模の花火大会とはいえないが
興奮がピークのままの状態で終わる。
冷たく透きとおった夜空に咲く花火は見事に美しく
ことに最後のスターマインは圧巻である。
宗家鍵屋15代目天野安喜子氏の手がけた華麗な作品で
この一発を観るだけでも充分に満足できる。

夜の川風は寒い!
ふるえながら凍えながら歓声をあげる。

今朝一番の宅急便で
日本海のいろんな魚が送られてきた。
ハタハタ、カレイ、ケンサキイカ、小鯛の笹漬け、一夜干のスルメイカ等
これでまた暫らくは業務用冷凍庫も満杯。
さっそく近所へのおすそ分けがはじまる。

     無月とて月の在処の仄白く
     


新聞の朝

2009-10-10 10:37:42 | 日記・エッセイ・コラム

歌曲コンクール入賞の記事が昨日の朝刊に載り
友人知人から祝いの電話が鳴りつづけ
新聞の影響力をあらためて思い知らされた。

これが佳きことだから良いが
もしスキャンダラスなことであったら・・・・・・

インターネットの普及により
新聞の存続を危ぶむ声もあるが
毎朝、新聞をよむ習慣は残しておきたいと思う。

 明け方、新聞の投げ込まれる音で目が覚め
 手に取ったときの芳しい活字の匂い
 テーブルには一杯の熱いお茶が湯気をたて
 台所では早起きの女が玉子を焼いている

 障子にたゆたう柔らかな光り
 
これぞ日本の朝の文化!

この頃パソコンばかり使っているので
いざ、手紙を書こうとする段になると漢字が出てこない。
それも簡単な漢字が・・・・
間脳あたりに引っかかってちらちらするのを
想い出そうと頭を左右に振ってはいらいらしている。

むかし、祖父が声を出して新聞を読んでいた。
お経のように変なイントネーションをつけて・・・・・
囲炉裏には山羊の乳が沸いていて
あの変な音読こそ、ボケ防止になっていたのだ。

     一樹より色づき始め庭の秋


悪女のように

2009-10-06 15:52:10 | 日記・エッセイ・コラム

ジイジが車にはねられた。
わが屋敷内に棲む猫のなかで最も性格の穏やかなトラ猫。
即死であった。
向かいの農家の畑に埋めてもらう。

ナツメが産んだ三匹の仔猫のうち、ミミが行方不明。
すでに二週間も姿を見せない。
父親のつもりで面倒見ていたポールが
終日、ぼんやりしている。

ほんとうの父親は他にいるのだが
ナツメに言いくるめられて
三匹とも自分が父親であると
すっかり信じきって愛情をそそいでいた。

そもそも、ポールは早くから去勢されているので
100%父親である筈がないのに・・・・・
どんな手をつかって丸めこんだのだろうか。
まるで悪女のように
ナツメは相当なやり手なのである。

大型の台風18号が接近中。
東の空が不気味に暗く
ラジオから流れてくるマーラーの曲に
いっそう不安をかきたてられる。

台風など途中で破壊してしまう方法はないものだろうか。

     鳴く虫の闇の底ひの仄明り