ロータリークラブの例会で
東京造形大教授三木俊治氏の卓話を聞いた。
サル+アート=ヒト
ヒト-アート=サル
サルとヒトの違いはアートを創りだせるか否かにあると言う。
結構エッチな話を混ぜながら、
テーマであるアートに関心を引こうとしたが
すでにご高齢の会員たち、あまり効果はなかったようだ。
サルについてふと、思い浮かんだことがある。
サルと視線を合わせると
突然、威嚇されたり襲われたりして危ない。
サルは眼の前のヒトに遙か大昔の自分がダブッて見えていて
その不安と恐怖から暴れだすのだ。
ずっと昔、大昔、この地上に自分たちが
とんでもないことを仕出かしたのを記憶のDNAに刻み込まれ
ヒトに出合うと、そのときのおぞましい出来事が
想い出されてしまうのだ。
かつて、サルはこの美しい惑星に一大文明を築き
万物の霊長として繁栄の頂点にあった。
その驕りは神と同じ事ができるとさえ思い込み
危険な道具を創り、他の生命をもてあそび
そしてある日、最後のボタンを押してしまった。
今まさに、眼の前にいるヒトが
自分と同じ過ちを繰り返そうとしていることに怖れ
サルとヒトの業の深さに悲嘆し
牙をむき出しては吼えるのである。
蜜柑むく指先に息吹きかけて