ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

山の日

2011-04-30 12:11:21 | 日記・エッセイ・コラム

ゆがいたばかりの竹の子を戴く。
まだ温かい。

やわらかく新鮮なので薄味に調理する。
先の方は山椒味噌をつけ刺身で食べると
里山の清澄な水と空気の香りが口中にひろがる。
何か良きものが体の隅々に浸透していくような感覚。
そういえば、旬と筍・・・・関係が深い。

一緒に戴いたタラの芽は親指のようにふっくら・・・・・
これぞ、ほんまもんの木の芽!
多くの人は摘みどきが遅れ 枝になりかけてしまっている。
それでは本来の香りを楽しむことはできない。

竹の子も木の芽も採りたてが肝心で
時間が経つほどアクが増えて不味くなる。

作曲家の船村徹さんが
「山の日」の制定を呼び掛けている。
  灯台もと暗し・・・・
われわれ日本人は山に抱かれていながら
山を見ていないような気がする。

片っぱしから木を倒し、山を崩し、山の神さまを踏みにじり
山こそ いのちの原点であろうに・・・・

     つつぢ咲く水肥たっぷりたっぷりな


失ったもの

2011-04-29 11:10:45 | 日記・エッセイ・コラム

庭の山桜が見事に咲いた!

枝を切られてからしばらくヘソを曲げていたが
何年振りだろうか
こんなにしっかり咲いてくれたのは・・・
小賢しいにんげんの知恵で
やたらに手を出さない方がいいのだ。

はるか東の空に積乱雲がうまれ
赤子のように輝きながら成長している。
風の色はもうすっかり初夏・・・・

ラジオから流れているカーペンターズの
     「Y
esterday Once more」
・・・・失くしてみてはじめて知る青春のまぶしさ。

烈しい戦争中であっても
クリスマス停戦という良識がある。
これらの良識をほんとうに心得ている政治家は一体何処に?
この国難のとき
議論にばかり酔う政治家の顔・顔・顔・・・・・
日本の不幸がつづく。

      庭に摘むことの贅沢山椒みそ


美のエキス

2011-04-27 21:18:15 | 日記・エッセイ・コラム

とちぎテレビの2日目の撮影が終了した。
午後2時から5時半まで掛ったが
実放送時間は15分。
あれこれ編集されてエキス分だけほんのちょっと・・・・

タイトルは「栃木のきらめき美術館」


放送日は5月23日(月) 19:00より。
再放送は5月26日(木) 20:00より。
県内の方々、どうぞご笑覧下さい。

万屋さんからタラの芽とシロキの芽を貰ったので
冷蔵庫に眠っているあれやこれやを引きだし
てんぷらを揚げる。
エビ・イカ・ピーマン・ニンジンなど沢山揚げたので
ひとり暮らしのチズちゃんにもおすそ分け。

     空も水もほうれん草も大丈夫


いっぽんの紐

2011-04-27 12:38:56 | 日記・エッセイ・コラム

朝刊の小さな記事に目がとまる。

全国の受刑者約2800人が作業報奨金など2156万円を
義援金として震災の被災者へおくった。
という記事。
悪行と善行の紙一重
ひとのこころの不思議さに思いを巡らせている。


   でき立ての駄作ですが。

            いっぽんの紐
    「手を離すなよ ほれ、手を離すなよ」
   その声に見上げると
   ぼくの手は いっぽんのロープを摑んでいる
   ロープの先は混沌と霧がかり
   はるか眼下では ぼこぼこぼこ硫黄が泡立っている

    ぼくはなにをしている?
    ここはどこ?
    そのこえは?

   黒い太陽の縁から 斜めに迫ってくる始祖鳥の叫び
   真っ赤な嘴から息が生臭く
   むかし 裏の貸家に住んでいたミカタさんの臭い
    (母にはいつも意地悪で)

   幾たびも黒い羽音が体をかすめ
   肘と肩の関節が外れ
   しびれる 気が遠くなる ああ、ああ!

   奈落へ ずり落ちながら
   うすれゆく意識へ そのこえ・・・・
    「ほれ、手を離すなよ」

      そうして ぼくは生まれた


とつぜん!

2011-04-25 13:15:17 | 日記・エッセイ・コラム

昨年通販で取り寄せた久留米つつじが赤くふくらんできた。
数年後には軒先を真っ赤に染めてくれるはず。

震災以来、昨夜はじめて枕元のラジオを切って寝たところ
柱時計の時報も知らぬままぐっすり眠った。
目覚め爽快!
二人の友人に当選祝いのでんわをかける。

きょうの昼食は
モズクの胡瓜揉み・野菜サラダ・トマトスープ・焼豚・パン。
月曜休館日、姫を相手に静かに穏やかに時が流れていたが
とつぜん、
何の前触れもなく青空の中から雷神が暴れだし
同時に雹が降る。
路面につもるほどの烈しい雹。
 どっしーん!
近くに雷が落ちたらしく電気が切れ
姫たちは中腰のまま固まる。

大きな雷鳴があると いつも、ヘソに手がいく。

60余年、数えきれないほどのトラウマを抱えながら生きている。

    春雷と言へども楡の真っ二つ