両面フライパンを使ってローストポークを焼く。
昨日からＩＨ調理台に換わったので
格別料理が楽しい。
タイマーが付いているので
ずっと立っていなくてすむ。
膝関節には立ったままでいるのが一番よくない。
500ｇの豚ロースのブロックに
オールスパイスを埋め込み塩胡椒してから
軽く両面を焼く。
肉の周りには野菜（ネギ・セロリ・にんじん等）を敷き
蓋をして中火で15分焼く。
ソースはフライパンに残った肉汁に
ケチャップと蕎麦つゆと白ワインを煮詰める。
これがまあ！なかなかの美味。
青葉風たれか来さうな気配ふと
テレビの韓国ドラマを観ていた女房が
とつぜん
凄まじい悲鳴をあげながら
ズボンの裾をまくりあげる。
な、なんと！ ムカデ。
10センチもあろうかと思われるほどの大きなムカデ。
テレビのリモコンで叩き落とすと
脛にふたつ噛んだ跡がある。
とりあえず常備薬の消毒殺菌スプレーを塗り
対処法をネットで調べる。
43度の熱いシャワーで患部を洗い
ムヒを塗るのが良いとあった。
早速その通りにした。
その後一時間経っても痛みがないので
幸い毒は注入されなかったようだ。
あまりの大騒ぎにムカデも慌てたのだろう。
掃除機の強力な渦の中に吸い取られていった。
それにしても神様はどんな想いで
あのようにグロテスクな生きものを創造したのだろうか。
ムカデだって可哀想じゃないか。
今源氏見上げる先の桐の花
糸とんぼを見た。
数年ぶりのこと。
中庭をそっと横切っていった。
何かとても大切なものを発見したような喜びと
そのくせちょっぴり哀しい気分。
糸とんぼ・・・・絶滅種の最たるものであろう。
もしかしたら今横切っていったものが最後かも・・・・・
そうやって今の僕も誰かにとっては
最後の自分かもしれない。
そう思うと周囲の何もかもが愛おしく見えてくる。
今年初もののトウモロコシをたべる。
ミルキーな汁と乾いた土の匂いが口中にひろがる。
バーグマンてふ薔薇薫りけり寡婦の家
音曲のこぼれ散るらむ桐の花
宍道湖からしじみを取り寄せる。
肝機能が弱っているので
暫くつづけてみようと思っている。
水鳥のように
しじみを啄みながら昔の映画を想いだしている。
「わたしは貝になりたい」
一介の床屋の主人が戦犯として
処刑される内容のもの。
平凡な一市民が
戦争に引き込まれていく怖さと
理不尽さに身震いした。
今この瞬間も
世界のあちこちで紛争が絶えない。
60年間戦争放棄・平和国家を標榜してきた
わが国であったが
自信過剰の総理の号令で
危うい方向に傾きつつある。
かりっと奥歯に砂粒がはじけ
なんとも不穏な夜風が吹いてきた。
万緑やトロッコ列車見えかくれ
脳内がフリーズして
暫く思考停止であった。
何も思いつかず
何も考えられず
喰っては寝るだけの日々であったが
今日ようやく
カチッと音がして掛け時計のように動き出した。
先日の俳句談義に刺激を受けたか・・・
やはり人に接しなければダメだ。
