深夜放送から流れてくる懐かしの調べ。
「シクラメンの香り」
かつては私の十八番(おはこ)で
宴会やカラオケの席で随分歌ったものである。
ところが
ラジオに合せて歌ってみると息がつづかない。
特に高音部は錆びついてしまって
とても歌にならない。
いっときは
地元コーラスの花形だったのに
今は芒の原を吹き抜ける空っ風のように
ぱさぱさ ひーひー。
活性肥大の法則・・・・
筋肉も大脳も声帯も使わなければ
委縮してしまう。
まわりの老若男女を心酔させた美声は
いつの間にか しゃがれ声。
これじゃァ浪花節でも習おうか・・・・
人との出会いも然り。
ことに異性に関しては
「ときめき心」が健在であるにもかかわらず
なんとなく億劫で その先の一歩が踏み出せない。
花火のように闇に散る数多の歓喜。
・・・・・・・こうして人は枯れていくのか。
海の日や海に生かされ海に殺され
そうですね。「枯淡」という言葉があるように、美しく枯れたいものです。