はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

「𠮟る」行為には依存性があるのか その2

2023年03月31日 | 
2023/03/31


村中直人著『叱る依存がとまらない』
の続きです。


 

前回は
𠮟る人と叱られる人の間には権力格差があり
権力が上のほうが「叱る状況」を決めていると
書きました。


そして本の題にもなっているように
「叱る」ことには嗜癖性や依存性が
存在しているのだそうです。

つまり癖になってしまうのです。 


自分が他人に権力を行使できる。
自分の叱責で他人の行動を止めた
変えさせたというのは
他人の行動をコントロールできるという
自己効力感につながります。

つまり叱ると自己効力感という「報酬」
を受け取ります。
 
「処罰したい感情」も満足します。

人が勧善懲悪の物語を好むのは
処罰感情を持っているからであり
それが満たされることを望むからなのです。


この報酬のために人は
「叱る」ことがやめられなくなります。


では「𠮟る」ことに依存してしまう人は
どんな人なのでしょう?

作者は書いています。

依存症の根本にあるのは
「現実からの一時的逃避」です。

依存症のリスクを高めるのは、
「受け入れがたい現実」であり、
一時的にでも忘れさせてくれるものに依存
するのです。

「自己治療仮説」というのがあって、
依存症は前提として
何らかの苦痛を抱えている場合に起きやすくなる。
依存することで自己治療しているように見える
のだそうです。


と、すると
叱る依存は叱る側のニーズを満たすものであり
叱られる側に全ての原因があるとは
言い切れませんね。


児童虐待や
厳しすぎるコーチの叱責により
生徒が自殺したりするのは
背後に「叱る依存」があると考えても
よいかもしれません。

あるいはネットので執拗な中傷は
裏に「叱る依存」があるのかもしれませんね。






「𠮟る」ことは人に学びの機会を与えたり
成長させたりするのでしょうか?

これについても、とても興味深いことが
書かれています。

次回に書きたいと思います。







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