2021/10/11
昨日の夕方、17:40分に角野隼斗さん、19:30分に牛田智大さんの演奏がありました。
2人とも、とても印象深い演奏でした。
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
ワルツ第1番 変ホ長調 Op.18 「華麗なる大円舞曲」
ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」
角野さんは2次まで進んで、すっかり緊張が取れたようで、待機している時から、やる気が伝わってきました。
マズルカ風ロンドは、マズルカのリズム感、軽快感がよく出ていたと思います。
バラード第2番は、予備予選のときにも弾いた曲で、穏やかさと激情の入り混じった美しい曲です。過去のコンテストの優勝者たちはほとんどこの第2番を選んでいるようで、その日の前半に反田さんも弾いていらっしゃいましたね。
角野さんは穏やかさと、一抹の悲しみ、激情をよく対比させていたと思います。
私が最も注目したのは「華麗なる大円舞曲」と「英雄ポロネーズ」です。角野さんらしさがよく出ていて、この2曲で攻めてきたなと思ったものです。
大円舞曲は名のとおり、踊りの曲ですが、はずむような軽やかさがありました。ジャズやポップスも弾く角野さんですから、角野さんらしい演奏だと思いました。
角野さんの演奏はもたつかないし、重くならないのです。これは角野さんの恵まれた指があるためではないかしら。強さもあり、よくコントロールできると思います。速くても粒がそろうし弱音も鮮明に聴こえます。
こんなに軽やかな大円舞曲は初めて聴いた!おしゃれな円舞曲でしたね。
そして英雄ポロネーズ、ともすると英雄のごとく威風堂々と重々しく弾きそうなところですが、もったいぶらずに軽やかに疾走していきました。
そして新しい発見があったのですよ。
英雄ポロネーズで、曲の後半に静かな部分があるのですが、ここで、今までにきいたこともない左手のメロディが聴こえたのです。角野さんは意識して、このメロディを丁寧に聴かせたと思います。
よく知っている英雄ポロネーズですが、今まで内声にこんなメロディがあったとは気づきませんでした。
静かな部分になってふっと間をおいて、しずかに弾き出した後に、左手でこのメロディを歌ったのです。陰鬱なメロディで、前奏曲「雨だれ」の中間部に陰鬱な暗い部分がありますが、まさにそのような印象でした。
こんな部分をショパンは隠していたのかと思ったものです。
角野さんらしい解釈の演奏で、だんだん本領を発揮してきた感じですね。
ワルツ第5番 変イ長調 Op.42
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」
反田さん、進藤さん、角野さんも交えた休憩時間中の座談会(英語)
世界的なコンクールに出る人たちは、英語もしゃべれないといけないから大変だね。←(ほとんど内容がわかっていない私の感想)
1:52:35頃から始まります。