2021/10/06
今日の記事もショパンコンクールです。
すっかり、ショパンコンクールにはまってしまいました。こんなにはまるつもりではなかったのに(笑)
毎日、心癒される音楽を聴いて、楽しんだり、驚いたり、本当に良い時間をいただいています。
昨日の現地のEvening Session (日本時間の真夜中)の演奏を今日、聴いてみました。
予備知識は全くなかったのですが、最初の演奏者から惹きつけられました。
こ、この人は誰!?
J J Jun Li Buiさん(カナダ)17歳
エチュード ホ長調 Op.10-3(別れの曲)
エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4、嬰ト短調 Op.25-6
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
「別れの曲」の静けさ、はかなさが胸に迫ってきます。
でも寂しいだけではない、どこか清らかで明るいのです。こんなふうに感じさせる演奏ができるんだなあと思いました。
2番目のエチュードOp.10-4は速くて激しい曲ですが、一気に駆け抜けて巧みな演奏。Op.25-6も和音の連続をいともたやすく、何でもないかのように弾いているのがすごい。
最後の舟歌のたゆたうような揺れ、歌わせ方がうまいです。
お顔を見て、20代後半の人かなあと思っていたら、なんとまだ17歳。17歳でも、本当に弾きなれた演奏に感じました。
そして、 この人も素晴らしい。
Kai-Min Changさん(台湾)20歳
ノクターン ハ短調 Op.48-1
エチュードホ短調 Op.25-5 Op.10-5 「黒鍵」
バラード第1番 ト短調 Op.23 変ト長調
この人も予備知識がありませんでしたが、弾き始めると音が美しいので、一気に引き込まれました。
最初のノクターン13番は私の大好きな曲ですが、ひそやかで静かな始まり。内省的で心が鎮まります。重厚さもあり、悲しみの感情を呼び起こさせます。限りない優しさも感じた演奏。
エチュード「黒鍵」。この演奏を聴いて、「黒鍵」は楽しい、はずむような気持ちの曲なんだと感じました。そういう感じを抱いたのは初めてです。楽し気に弾いていました。
そして、バラード1番、この曲は羽生君のスケート以来、いろいろなピアニストを浴びるほど聴いてきましたが、本当に好きな演奏は少なかったのです。
このチャンさんの演奏は好きだと思いました。ふっと立ち止まるような、何かを思い出したような感じの箇所もあれば、晴れやかで天にも昇る心地にもなる。空想が空をかけていくような。少しミスタッチはあったのですが、気にならないくらい表現としては素晴らしかったです。
この方も見た目は20代後半くらいに見えたのですが20歳。東洋系でも、外国の人は大人に見えますね。
(動画を貼らせていただきます)
実はこのふたりは、アメリカのオバーリン(オベリン)音楽院 Oberlin Consevatory of Music でダン・タイ・ソン氏に学んでいるんだそうです。ダン・タイ・ソン氏は、1980年にアジア人で初めてショパンコンクールで優勝した人です。
前回大会でも多くの優秀な入賞者を指導したのだそうです。ダン・タイ・ソンの直弟子とあれば、素晴らしい演奏も頷けますが、このオバーリン音楽院は、今もっとも注目されるピアノ教育の拠点のひとつ。
オバーリン音楽院はもともと1865年創立、アメリカの4年生音楽大学(音楽院)としては最も歴史ある名門だそうです。私はこの大学のことは知りませんでした。