一昨日は、東京文化会館小ホールで行われた福間洸太郎さんのピアノリサイタルでした。
福間さんは1週間前にも、サントリーホールで日フィルとのラフマニノフ2番を聴いたばかりです。聴きたい公演のチケットを取ると、日が近いことがよくあります。
このリサイタルはマチネ公演とソワレ公演、1日のうちに昼と夕方、それぞれ全く違うプログラムで2公演をするのです。ひとりですべて違った曲を弾くことになるので準備も体力的にも大変でしょうね。
私が行ったのはマチネ公演のほう、「1918年の追憶」というもの。
1918年(大正7年)というのは、ちょうど100年前です。
第1次大戦が終結した年ですが、平和な雰囲気ではなく、どこか不穏な空気に満ちた年。
プログラムには、第1次世界大戦のなどの窮地に立たされた者の魂の叫びに耳を澄ませたいとあります。
私が知っていた曲といえば、ドビュッシーの「夢」と「月の光」、何となく聞いたことのあるというのが、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」。後は知らない曲でした。
福間さんもおっしゃっていたようにマニアックな曲目構成。
最後の「ラ・ヴァルス」は力演でしたね。
だんだん福間さんが没入してくる感じがあり、終わった後は肩で息をしているくらいでした。最後は踊り狂う人々が倒れこむかのように曲が閉じられるとありますが、ほんとうにそんな感じ。
ツィッターでは「手は今のところ大丈夫です」とあったので、手を心配した人もいたのかな。
演奏した曲の楽曲解説動画がありましたので、自分の覚えとしても貼っておきます。
バルトーク
ヴィエルヌ
今回、アンコールで弾いた3曲の最初の曲は、恩師のビュケ先生、大家さんのクセナキス婦人に追悼の気持ちを込めてということで、スークだったかな(記憶が曖昧)静かないい曲でしたね。そのお話も興味深かったです。
1918年のヨーロッパに気持ちが飛んだ2時間でした。
マチネ公演だったので、終わったのが3時過ぎ。
近くの上野の森美術館の「世界を変えた書物」展を覗いていきました。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/shomotu/
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主催が金沢工業大学で入場無料ですが、コペルニクスやニュートンの初版本が展示されているのです。
入場無料とは思われない、貴重な展示でしたが、人であふれ、なかなかじっくりと展示を見ることができないのでした。
会期が今日までで、再度見に行く時間がないまま終わってしまい、ちょっと残念。