顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

5月の山の花  (常陸太田市里美地区)

2016年05月10日 | 山歩き
すみれがいろいろ咲いています。日本では自生種が60種以上、さらに交雑種が数十種と大変多いそうです。4コマ撮りましたがその中でも品種が多分確定?できるのは次の2種だけです。

杉林の中などでよく見かけるエイザンスミレ(叡山菫)、葉の形に特徴があります。和名の由来は、比叡山で発見されたことからきています。


あけぼの色から名前が付いたアケボノスミレ(曙菫)。明るい林の落ち葉の中から顔を出している淡い色彩は、なんとも魅力的です。


ニリンソウ(二輪草)、この若葉を山菜として食される地方があるそうですが、猛毒のトリカブトと似ているので事故がよく起こるようです。


ミツマタ(三椏)の花です。古くから和紙の原料として、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)とともに使われてきました。現在でもミツマタを原料とした日本の紙幣は、その優秀性を世界に誇っていますが、2005年度以降は国内生産量が激減し、中国・ネパール産の三椏の輸入で不足分を補うようになっているそうです。

山路来て何やらゆかしすみれ草  芭蕉
片雲やこぼしてゆきし二輪草  矢島 渚男
三椏や石橋くぐる水の音  渡邉孝彦