
ロウバイ(蠟梅)は、梅に似た蠟のような花という名前のロウバイ科の花で、梅(バラ科)とは種類がまったく違います。最近よく見かけるのは、このソシンロウバイ(素心蠟梅)、花弁も花芯も黄色一色で花も少し大きめ、春に先駆けて香りのいい花を咲かせます。

こちらが原種の蠟梅、ワロウバイ(和蠟梅)ともいうようですが、中国原産です。花芯が赤く花も約2センチ位と小ぶりですが、香りの高さでは引けを取りません。
中国では、梅、椿、水仙とともに「雪中の四花」として尊重されている花だそうです。

マンサク(満作、万作)はマンサク科の落葉樹、蕾が大きく膨らんできました。語源は明らかでないようですが、早春一番に咲くので、「まず咲く」から「まんずさく」へ東北地方で訛ったとの説もあり、この語源説に1票入れたいと思います。

ミツマタ(三椏)はもう開花間近です。ジンチョウゲ科の落葉低木、枝が三叉に分かれるので命名されました。和紙の原料として知られ一万円紙幣にも使われているそうです。この近辺の山でもよく見かけますが、茨城県は、どちらかというと和紙原料のコウゾ(楮)の生産が有名です。

カンツバキ(寒椿)は、宮尾登美子の小説や森昌子の歌に出てくるイメージが強すぎますが、花はまるで山茶花です。山茶花と椿の交雑種ともいわれ、花弁と雄蕊がくっついている椿の特徴と花弁が一枚ずつ散る山茶花の特徴を合わせ持っています。
山茶花との区別は難しいようですが、撮影した枝には品種名「勘次郎」の名札が付いていました。
茨城県植物園1月19日の撮影です。
臘梅を透けし日射しの行方なし 後藤比奈央
今生の色いつはらず寒椿 飯田龍太
告知あり介錯無用寒椿 西畑六道 (辞世の句300選:中経出版)