顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

巨大な達磨像…鳳台院

2022年02月17日 | 歴史散歩
笠間市にある国見山鳳台院慈眼寺は、曹洞宗のお寺で、大きな達磨像と2万株といわれるシャクナゲで、近年人気のお寺としてクロースアップされてきました。ステイホームの日が多くなったので過去の在庫写真から紹介させていただきます。

平安時代後期の永久年間(1113~1118)創建で片庭の国見山の麓にあった禅寺が前身とされ、争乱で廃寺になっていたものを、室町時代の文明8年(1476)に笠間城主笠間朝貞によって現在地に遷され、小田原の海蔵寺安叟和尚の十哲のひとりといわれた竺翁和尚を招き再興されたと伝わります。

江戸時代には寺運が隆盛し末寺が全国に110余寺、笠間藩領内でも35寺あったといわれ、寺領5石の朱印地が安堵されていました。しかしその後たびたびの火災にあい、寺宝もことごとく焼失し、現在は山門などに当時の面影を残しているだけですが、50年ほど前から広大な敷地に伽藍や墓地の整備拡張が続けられ重厚な寺域になっています。


山門は享保21年(1736)に建てられた総欅材の四脚門で柱や頭貫の見事な浮彫などに江戸時代中期の寺院山門様式を残しています。屋根は茅葺き切妻造りでしたが保存修繕を行い、銅製瓦葺きとなりました。


本堂の奥に建つ釈迦如来像、像高10mの青銅製の大仏です。
辞書を引くと「大仏は丈六(=1丈6尺)以上の大きな仏像」と出てきます。メートル法だと4.85m、これは釈迦の身長が丈六であったと伝えられ、そのため仏像の大きさは丈六が基準で、坐像はその半分とされたそうで、それ以上の大きさは大仏と呼ばれるそうです。


また達磨大師座像も像高10mの青銅製大仏で、世界最大級ともいわれています。約2万株といわれるシャクナゲ園を眼下にしています。


大きな観音菩薩像もあります。これも大仏と呼ぶ大きさ4.85m以上かどうかは分かりません。


観音堂本殿と仏舎利奉安の五重の塔です。


大きな石に達磨大師の顔を掘った達磨石が本堂入口で睨んでいます。


新坂東三十三観音の三十三番札所になっている観音堂です。


大きく立派な仁王堂も最近の建立のようです。

人が集まってこそお寺には意味があるという先代住職の思いを守り、大仏、シャクナゲ園、広い駐車場などを整備した、レジャー気分でも楽しめる寺院の姿は、仏教離れの世の中で存在を主張できる有効な一策かもしれません。