〔現代ビジネスから〕突然、噴火した御嶽山(3067m)は日本100名山の1つであり3000m級にしてはロープウエーなどで簡単に登れる山であるが、まさに不運というか不意打ちというしかない。数年前某党が行った火山観測事業の事業仕分けで御嶽山が常時監視の対象から外されたような記事を良く覚えているが・・・因果関係はないような気がする。とにかく、同じ登山者として亡くなった方のご冥福を祈り、被害に遭われた方の家族と友人に心からお見舞いを申し上げたい。
んで・・・数年前に閉じた小生のHPに有珠山噴火により罹災調査した記録の一部(2009.9)を掲載したことがあったので再度掲載する。(活火山の怖さ)
北海道には活火山の山が多い。駒ヶ岳(1131m)、樽前山(1041m)、十勝岳(2077m)、雌阿寒岳(1499m)どれもいい山ばかりで日本の百名山、二百名山にあげられている。火山性の山が好きで殆どの山を登ったが、最近は噴気活動の活発により入山規制となって登れない山も出てきている。その活火山の一つである有珠山(732m)が平成12年3月31日に8回目の大噴火をした。
子供の頃一度有珠山の噴火を見た事があるので今回が2回目となるが、仕事の関係もあって被害の大きい有珠山の火口周辺を間近に見ることができた。有珠山はニ重式火山で大有珠と小有珠の2峰があり、直径2キロの火口原があるのが特徴だが、今回は有珠山の西方の国道230号線沿いで噴火が起こり新たな火口が2つ出来ている。
北西にある新しい火口群では、噴火以降何回も小規模な爆発が繰り返され、火口の周辺に噴石や火山灰が放出されている。
写真の塵芥処理施設も火山灰や噴石、地殻変動により埋没され煙突しか見えていない。
水没した国道230号線。地殻変動により地下水が噴き上がり水没してしまった。周辺の消防施設も水没している状態だ。 埋没する火口付近の国道230号線。
地面の隆起などでいくつもの表層断層ができている。国道はもう標識しか残っていない。道路がここまで変形してしまうのかと改めて自然の驚異を実感する。
テレビでよく写されていた破壊されたわかさいも工場と火口。現在でも小規模な水蒸気爆発があり噴石が散らばっている。
穴だらけの住宅。火口付近の住宅は爆発により噴石が屋根から一階まで付き抜けている状態であった。噴石は直径1、2mくらい。さらに火口からの衝撃波「空振」によりガラスが割られていたりした。「ドーン」「パリ-ン」といった感じ。近くにいるとゴジラが歩っているような地響きが起こる。
もはや読書できる状態ではなくなってしまった施設「読書の家」洞爺地区は噴石と土石流被害が目立った。
火口周辺の建物はこんな感じで完全に破壊され跡形も無いケースが多い、戦争のつめ跡のように感じるのが恐ろしい。今回の噴火で死傷者が一人も出なかったのは良かったが、早く有珠山が静まり、避難住民が安心して暮らせるよう切に願うばかりだ。この後、駒ヶ岳も噴火しているが火山列島に住んでいる以上、誰もが火山の知識や防災設備など学んでいく必要があると思う。
注:上空写真は当時許可を得て掲載したもの。陸上写真は私/2000年9月罹災調査より