思ってた通り、「日本侠客伝」をフォーマットに量産型として「様式美」が確立されているので、
観ていて解りやすいというか、安心できる。
でも、その分 予定調和や荒ぶるエモーショナルな部分が物足りなくもあった。
個人的には「日本侠客伝」の方が好きかも。
とは言え、クライマックスの健さんの殴り込みシーンは昭和残侠伝の方がカッコイイ。
なんと言っても・・・あの「歌」。
痺れるわい! 惚れてまうやろー!
博徒系でなく、露天商系の義理人情に熱い粋でいなせな任侠の話は良いなぁ~。
客人の「口上」とか、凄い。
口上を文字に起こしてあったので貼っておきます。
*軽い会釈の姿勢のまま、
客人●:「ご当家、軒先の仁義、失礼ですがお控えなすって・・・」
家主側○:「有難う御座いやす。軒先の仁義を失礼さんにござんすが、手前控えさせて頂きやす。」
*腰を中腰に落とし、右手の手のひらを見せるように前へ突き出し、そのままの姿勢で、
●:「早速ながら、ご当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発します。」
○:「手前、当家の若い者で御座います。どうぞ、お控えなすって下さい。」
●:「手前、旅中の者で御座います。是非とも、お兄いさんからお控え下すって・・・」
○:「有難う御座います。再三のお言葉、逆意とは心得ますが、手前、これにて控えさせて頂きます。」
●:「早速、お控え下すって有難う御座います。手前、粗忽者ゆえ、前後間違いましたる節は、まっぴらご容赦願います。向かいましたるお兄いさんには、初のお目見えと心得ます。手前、生国は大日本帝国、日光 筑波 東北 関東は吹き降ろし。野州は宇都宮で御座います。稼業、縁持ちまして、身の片親と発しますは、野州 宇都宮に住まいを構えます、十文字一家三代目を継承致します坂本牛太郎に従います若い者で御座います。姓は風間、名は重吉。稼業、昨今の駆出し者で御座います。以後、万事万端、お願いなんして、ざっくばらんにお頼申します。」
○:「有難う御座います。ご丁寧なるお言葉。申し遅れて失礼さんにござんす。手前、当神津組四代目川田源之助に従います若い者。姓は江藤、名は昌吉。稼業、未熟の駆出し者。以後、万事万端、宜しくお頼申します。
●:「有難う御座います。どうぞ、お手をお上げなすって・・・」
○:「あんさんから、お上げなすって・・・」
●:「それでは困ります。」
○:「では、ご一緒にお手をお上げなすって・・・」
●:「有難う御座います。」
○:「有難う御座いました。」
もし現代のビジネスでも、名刺一枚のやりとりでなく、口上でやりとりしてたら・・・
面倒くさいだけか?