ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

石油業界のSSビジネス・オペレーション変化

2008年12月07日 05時54分45秒 | Weblog
関西、九州の出張から帰りましたが週末も石油ビジネスのコンサルティングに関連する業界の方が来訪して面談。頭は結構石油ビジネスで詰まっています。

昔から「ガソリンスタンド」と言う業態に対するコンサルティングビジネスはかなりの数があったわけですが、最近ではセルフ化などの進行により当然のことながらSS店頭フィールドにおける「油外収益」などを切り口とするコンサルティング屋さんは減少してきたように感じています。

セルフオペレーションですから、「ガソリン販売に専念」する事が前提なのですが、それでもここにきて「油外収益を」といったビジネス企画もあるわけです。
SS販売業者としてセルフオペレーションの基本コンセプトとフルサービスによる「油外収益確保」のはざまでグラグラしているところもあるようです。

○紅さんんの、セミセルフ「Me」は関東の激戦地でも大健闘ですね。
元売り(コスモ)のセルフと向かい合いでも、同価格ですから完全に売り勝っています。
よく観察してみると、専任スタッフが給油しているだけあって顧客来店時の回転率が元売りの完全セルフよりも全然早いですね。それでもお客様が3列ぐらいで列をなしています。
うちの家内なども「完全セルフ」よりは早くて使いやすいと言ってます。
アピタのショッピングセンターとのコラボレートも効果があるのでしょう。チケットがたまると千円の商品券がもらえるらしい。

実は、先日も車に同乗して視察勉強してきました。
とにかく、スタッフが若くてキビキビしていて気持ちが良い接客です。
油種確認から数量、決済確認まで非常にスムーズです。

そのかわり、窓ふきなし、ゴミも捨て、フッドオープンなどのサービスは一切ありません。洗車設備もありません。ただひたすら、給油作業のスピートアップに専念しているわけで、ガソリン以外のものを売ることは一切していないわけですから消費者にとっては非常にわかりやすいわけです。

開店当初に、若手の若手のマネージャーと私の身分を明かしてしばらく話をしたことがあります。アンテナショップとしては完全に成功ですね。一番のポイントはスタッフの教育のようです。近くの商科短大の学生や経大生などを本格的に研修させているのですが、余計なことをしないので非常に早く店頭に出せるようです。
元売りの「ドラコン」などによる、フィールドサービスのための人材育成コストなども不要なんですね。

なんで、今更こんな話題を・・、と思われるでしょう。
実は、アナログなSSコンサルタントさんと面談したのです。
自ら、「今年は演歌が売れました。ですから、私のようなアナログなコンサルティングも」と自ら話しています。驚きました。
確かに、石油業界の経営は厳しいかも知れません。
また、SS業界の経営者は主体性がない「金太郎アメ」みたいな人が多いのかもしれません。しかし、そればかりではないわけです。

ガソリンスタンド経営は昔とは違います。
訳のわからない精神論だけで、経営できるほど甘い商売ではありません。
具体的なコストダウンや経営効果をどう出していくかが問題なのです。
本当に呆れました。

ですから、私は
高崎の「Me」のオペレーションは潔いビジネスオペレーションだと感じているわけです。