遊木民のアトリエ

現在は農業・木工業
                           

ダイニングテーブルをリフォーム

2020-11-28 | 木工の部屋

 約25年間使ってきたダイニングテーブルです。

25年前、増改築に合わせてテーブルトップを購入しました。

850×1800mm、厚さ35mmのタモの集成材のカウンターテーブル

で当時約8万円だったと思います。

 天板の裏にそり止めをつけ、脚を取り付けてダイニングテーブルとして使ってきました。

 片方が半円形になっていることから意外と多くの人数が座れます。

塗装はウレタン系のニスだと思うのですが、さすがに痛んできました。

 特に鍋を置いたりする、この部分の痛みがひどくなってきました。

この年末年始には「赤ちゃんが来るので何とかして」との家人からのオーダーで

リフォームしました。

 当初、電動カンナで表面を削ろうと思っていましたが、目違い払いの手間と

傷の深さを考慮して、サンダーで表面を調整することにしました。

マキタのサンダーとダストの吸引機です。

 #60,#120,#240、#400とサンドペーパーの番手を上げて

テーブルトップ等の表面を削って行きました。

 ひどい汚れのあった箇所も、すっかりきれいになりました。

 仕上げはオスモのノーマルクルアーによるオイルフィニッシュです。

どんなに高級な木材でもウレタンなどで塗装をしてしまうと、木材の感触では無く

科学物質の感触になってしまいます。

 私は木工をはじめて40年近くになりますが、木 本来の感触を大切にしたくて、

オイルフィニュシュにこだわってきました。

 大黒柱や上がりかまち、納戸の板戸などを米ぬかで磨いたのもオイルフィニィシュ

です。

 植物性の油が木材に浸透することにより、強度、耐水性が向上します。

 1回目の塗布です。

オイルがある程度浸透するのを待ちます。

 耐水性のペーパーサンド(#400)で表面をサンディングして表面を

なめらかにします。

その後一度オイルを拭き取り、再度オイルを塗布します。

 2回目のオイルを拭き取り24時間乾燥させ、ウエスでつや出しして完成です。

きれいな木目が浮き出てきました。

 指先に木の触感がダイテクトに伝わってきます。

家族も以前(購入時のニス塗装)より手触りが良くなったと言ってくれました。

満足のリフォームでした。

 今後は年一回のオイルの定期的な塗布を繰り返すメンテナンスが大切です。

汚れても表面を削れば新品に生まれ変わります。

これが無垢材の最大の特徴で、表面をだけを整えた合板との大きな違いです。

合板(突き板)の製品は安価ですがリフォームが出来ません。

無垢材はメンテナンスをしっかりすれば、何代にも伝えられる製品になります。

資源の有効活用が求められる今、原点に戻る必要があると考えています。

木が生きた年月より、長く使える家具を作ることが木工家の使命だと思います。